CFNM日記

雑草と太陽 18

(2012年8月26日 21:00)

雑草と太陽 18

陽はすっかり傾き、校庭がオレンジ色の海になる。それでもここは、相変わらずの暗がりで、それでも今は、それがなんだかとても心地良くて。 校庭の隅のアスファルトの段差に、ノリと2人。他にはもう誰もいない。 目を細め、何処か遠くの方をジーッと見つめている。きっと、勝利の感傷に浸っているんだろう。 そんなノリの隣りで、僕はただただそれに付き合う。特に意味はないけれど、今僕が一番したいことがこれだから、自分の… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 17

(2012年8月14日 22:00)

高速に響くスニーカーの音。高速に駆ける2人の影。服を着た鹿島と、素っ裸のノリ。 高速に振られる腕。高速に回る脚。その何処よりも高速に旋回する、ノリの、あそこ。 大きな笑い声、大きな叫び声。違う、違うだろ。何処見てるんだよ、みんな、…僕。   美しいフォーム、まったくぶれない軸。限界まで伸びる歩幅、衰えないスピード。何も、言うことはない。 頑張れ、頑張れ。   凛々しい顔は、徐々… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 16

(2012年8月6日 22:00)

決戦当日、放課後。 もう夏を感じてしまうような、見事な快晴。なのに、こんなところでやらなくても…、そう思ってしまうほど、ここは年中無休で暗がりで、でも逆に、それに少し安心している僕もいた。 観客はもちろんと言うべきか、満員御礼。きっと、噂が噂を呼んだんだろう。クラスの顔以外の顔を、ちらほら確認できてしまったことに、落胆し、胸がキリキリと痛くなる。 「よし、そろそろ始めるか。」 これ以上増えないと見… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 15

(2012年7月28日 22:00)

ノリの過酷な1週間が、実は僕にとっては幸せ過ぎた1週間があっという間に終わり、今日は、決戦前日。の、放課後。 最後の追い込みとばかりに全力で駆けるノリと、それを見守る僕。もう何も、口出しすることなんてない、…と、 「お、やってるやってる。」 遠くの方から、声がする。やっぱり冷やかしにやってきた、鹿島グループ。 「ま、明日の前日だしな。当然か。」 うるさい、今日だけじゃない。お前らが知らないだけで、… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 14

(2012年7月19日 22:00)

ずっとノリを見てきた、僕の分析。 ノリの鹿島との違い。もちろん、僕なんか比にならないくらいに速いんだけど、鹿島と比べると、良い部分もあるんだけど、劣る部分もやっぱりあって。 まずはスタート。これに関してはノリは鹿島に勝っている、と思う。最初の5Mくらいは、いつもノリが前にいるんだ。勝利への執着の違いかな?出だしはホントに完璧なんだ。 次にスピード。これは鹿島の勝ち、そりゃそうだよね。最後はいつも、… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 13

(2012年7月11日 22:00)

いろいろと考える頭など、もうあるはずもなく、ただ無心で、校庭の端、目立たないあの木陰へと向かう。 当然のごとく、そこにノリはいて、当然のごとく、いつもの見慣れ過ぎた動作を繰り返していた。 僕は、自分でも驚くぐらい、全く躊躇うこともなく、ズカズカと、そのスタート地点まで歩を進める。 「………。」 僕の姿を一瞥するも、表情一つ変えずに、きっと僕の存在なんていないものとみなして、練習を続ける。 なんで、… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 12

(2012年7月3日 21:00)

鹿島とノリの登壇が、注目を呼ばないはずもなく、全ての帰ろうとする足が止まり、向きも中へと戻される。 ―なんだなんだ?―え?また…?―やだぁもぅっ…。 当然の反応、気にならないはずがない。…ノ、ノリ……。   「みんな知ってると思うけど、昨日俺と大野で、 また50m走で対決をした。」 依然一方的にノリの肩を組んだまま、鹿島が飄々と語り始める。 「で、まぁ何と言うか、またまた俺が勝利を収めた… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 11

(2012年6月27日 21:00)

泣き疲れたのか、考え疲れたのか、まぁ多分両方だろう。昨日の夜は、驚くくらいにぐっすり眠れた。 それなのに寝起きは最悪で、体はやっぱり依然重くて、頭もなんだか痛かった。 休もうかな、とも思った。実際本当に体ダルいし。でも、休んだところでどうにもならないし、事態が悪化するだけのような気しかしない。まぁ、これ以上悪くなりようがないくらい、最悪な状況なんだけどさ。 とにかく、たくさん考えた結果、誤解を解き… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 10

(2012年6月21日 22:00)

夜、布団の中。 ご飯はから揚げ以外ほとんど残した。お風呂には1時間くらい入ってのぼせた。 まだ頭がボーっとする。そう言えば、どうやって帰ってきたのかも、よく覚えてない。泣こうと思えば、いつでも泣ける。   あのノリの顔、初めて見た、あんな怒った顔。初めて聞いた、あんな怒った声。思い出したくないのに、思い出した、胸がキューっと痛くなる。   正直、勝てないとは思ってた。酷いとは分… [ 続きを読む → ]

雑草と太陽 9

(2012年6月13日 21:00)

ノリが何処に向かったかのか、そんなのすぐに分かった。でも、どうやって声を掛けたらいいのか分からないし、第一さっきのことでもう頭がいっぱいいっぱいだし、第一まだ、…直ってない。 ……。 体育館の角で立ち止まり、気持ちと体が収まるまで、ゆっくりと、深く、深呼吸。 ……。なんとか下は収まったけど、気持ちの整理は全然付かない。そしてこれからも、いくら待ったとしても、それがまとまることはない。ほら、僕バカだ… [ 続きを読む → ]

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