CFNM日記

イタイケな5minutes 2

(2014年11月22日 09:00)

痺れを切らしたスグル君のしかめっ面が、
教室の中をグルリと睨みます。

きっと、いや間違いなく、
一番にスグル君の目に飛び込んだのは、
まだ「途中」の女の子たちだったでしょう。

すぐに異変を察知し、
隠すべき箇所を瞬時に隠せた子は良かったのですが、
1テンポ遅れてその事態に気がついた女の子が1人いました。
ミキちゃんでした。

膨らみ始めた胸を静かに揺らしながら、
髪の毛を拭いている最中でした。
奇しくも、開いたドアの方を向きながらそれをしていたため、
突如現れたスグル君と、見つめ合う形になってしまいました。

クラスメイトの女の子のすっぽんぽん姿を目の当たりにし、
流石に動揺したのか、
自然とムスっと顔が解けるスグル君。

まだいるはずのない彼の姿と、その視線の先にいる自分の姿に、
ようやくことの重大さに気づいたミキちゃんは、

「いやあああぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!」

「叫び」という言葉がぴったりなほどの甲高い奇声を上げ、
自分の体を抱きしめるように隠しながら、
その場にうずくまってしまいました。

「きゃああああああああ!!!」
「なんで入ってくんのぉおお!?!?」
「まだいいって言ってないじゃああん!!!」
「さいてええええええええええええええええ!!!!」

最大級の辱めを受けたミキちゃんに同調するように、
次から次へと、スグルくんに浴びせられる罵声。

それは罵声だけに留まらず、
体操着入れ、割烹着入れ、防災頭巾。
なんとか着替え終わった子は全力で、
まだの子は必死で体を隠しながら、
投げられそうなものをここぞとばかりにかき集め、
スグル君目掛けて投げつけます。

わたしも、ついその場の空気に流されて、
まだ買ったばかりの消しゴムを筆箱から取り出し、
スグル君目掛けて、投げつけてしまいました。

それが見事、スグル君のお腹にクリーンヒット。
痛かったかな、と、少し反省しました。

当のスグルくんは、目を閉じ、頬を膨らませながらも、
女子たちの攻撃にジッと耐えています。
さすがにマズいことをしてしまった、
という自覚はあったのでしょう。

とは言うものの、
ドアを閉め、その場を退こうとする様子はなく、
自分には非はないという姿勢を、貫こうとしているようでした。

少しずつ場のボルテージが収まり始め、
女子たちが一通り怒りをぶつけ終えたのを確認したのか、
「ふむ。」と、一言呟くスグル君。
そしてそのまま、ゆっくりと教室の中へと入ってきました。

「ちょっとおおおおお!!!」
「出てってよっ!!!」
「まだ着替え途中なのっ!!分かるでしょっ!?」
「アンタ馬鹿ァ!?」

ジリジリと近寄るスグル君に、
敵対心剥き出しのわたしたち女子、
に、対し、

「いや、お前らが遅過ぎんだろ~が~、よ?」

背後の時計を後ろ向きで指差しながら、反論するスグル君。
時計の針は、次の授業開始時刻まで、
「残り4分」を刻んでいました。

正論、と言えば正論なので、
妙にドモってしまう女の子たち。
でも、それにしたって、

「急に入ってくることないじゃんっ!!」
「そーよっ!ミキなんてっ…!!」

そうです。何の前触れもなくスグル君が突入してきたせいで、
ミキちゃんは多分、スグル君に、全部…―

「うっ、…うぅっ…、う~……。」

あらら、ミキちゃんが座り込んだまま、
泣き始めてしまいました。

「ちょっとミキ泣いちゃったじゃーん!!」
「え~、なんでだよ。」
「なんでだよって!そんなの…っ!!」

そりゃあ、理由は明快ですよね。

「あんたが、ミキの裸見たからでしょっ!?」

あらら、そんな直球な質問しちゃうんですね。宮崎アキちゃん。
ミキちゃんの気持ちも、考えてあげてよ、なんて、
思ったりしました。

「え~、別に。見てね~し~。」

知らんぷり~な顔をしながらも、
顔はしっかりとニヤけているスグル君。

あ~、これは見てますね。バッチリ見てますね。
隅から隅まで見てますね。間違いないと思います。

「絶対見たっ!!!」
「見てましぇ~ん。」
「見ーたっ!!」
「見てにゃい!!」
「ふざけんなっ!!!」
「んふ~、ったく、まぁあれだな、」

どれでしょう。

「女子の体って、結構もうアレなのな。」

二ヒヒ、と、さっき見たクラスメイトの成長を思い出すように、
したり顔をしてみせるスグル君。
これは酷いですね。もしわたしがミキちゃんの立場だったら、
許せないなって思います。

「さいってー。」
「信じらんない。」
「死ね。」
「猿。」

女の子たちの罵り言葉も、
より過激に、より冷酷に、もはや悪口になっていき、

「うううううう~…うううううう~…。」

ミキちゃんは相変わらず、泣きじゃくるばかり。
この孤立無援自業自得の場を、スグル君、
どうしたものでしょうか。

「ま~ったく、しゃ~ね~なぁ。」

何か、スグル君には策があるようです。
みんなの冷徹な眼差しを一身に受けながら、

「いよっと。」

何を思ったか、ひょいと傍にあった教卓の上に飛び乗り、
クラス全体を見下ろすように、その場で仁王立ち。

女子の視線の全てが自分に集まっていることを確認するように、
教室内をグルリ、一周見回したかと思うと、
躊躇う素振りもなく、ひゅるひゅると、
器用に海パンの紐を緩め始め、

…え?

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