小説

イカサマG@ME 13

真下に下ろした三浦のパンツ付きズボン。 少しくらいは手こずるかと思っていたけど 予想以上に簡単に あっけなくそれを脱がすことが出来てしまったことに まず驚く。 そして、そんな驚きなどどうでもいいことに ものの数秒で気づき わたしは、いつしか念願とまで成長していた目標物に 一瞬芽生えた乙女心から、若干の躊躇いを感じつつも それを押し殺し、ロックオンして焦点を合わせる。 何がオレのはお前らにはまだ早い、よ…。 わたしたちを甘く見るなっつーの。 …どれくらい立派なのかは知らないけど ソレがどんなモノでもわたしは 「きゃ~!パオ~ン!」くらいの台詞をかまして からかってやろうと思っていた。 …、けど… ズリ下ろしたことにより 必然的に露になった三浦のソレを見て わたしは不意を付かれて 用意していた言葉の投げかけもすっかり忘れて 一瞬呆然としてしまった。 -ちょろろんっ。 わたしの目の前に現れた三浦のゾウさんは 『立派』なんて言う言葉が肩書きとして付くはずもない 小さな小さな代物で さっき見た森くんのと比べれば一目瞭然。 何分の1かと聞かれたら 何に当てはまる数字を2桁に設定したとしても 誇張しているとは言え 誰からの反論も来たさないような自信が持てる。 …とにかく、それくらいちっちゃかった…んだ。 もっと言えば、いわゆる毛もまだ全く生えていない状態で ツンツルテンのお子ちゃまの持つモノ… と言った印象だった。 ついに…見ちゃった…、三浦の…三浦の…… 「…え。……きゃっ!!!」 固まるわたしの横で、そう声を漏らすのは千佳。 そのリアクションが意味するところを わたしは大いに理解することができる。 きっと見る前に、本人からあんな演説もどきを聞いた人なら 100人中100人が、そんな反応を示すに相違ない。 「…うっ!!!くそっ!!!み、見るな~!!!  絶対見んなよっ!!!うっ…  …く、くっそー!!!離せぇ!!森ぃいい!!!!」 オーブンで温めた後 サハラ砂漠で半時間ほど日干しにしたかのように 顔を真っ赤に染めながら、必死にもがく三浦。 当然森くんからの拘束が解けるわけもなく 腰の辺りが辛うじて 左右前後に無意味な運動をしているのみ。 その動きが行われるたびに 三浦いわく“ご自慢の宝物”は 申し訳程度に、小さく暴れていた。 数十秒かな、わたしはそんな三浦の男の子の証を 周りの目も気にせず、一心不乱に釘付けとなって見ていた。 いつもふざけてばかりの三浦。 ちょっかいばっかり出してくる三浦。 子猿みたいに顔を真っ赤にして恥ずかしがる三浦。 行き場所を無くして、偽りの男らしさを纏って 無理強いをする三浦。 まだまだ精神不安定なお子ちゃまのように 必死で抵抗する三浦。 そして今目の前にいる、ミニマムシンボル丸出しの三浦…。 全ての過程を改めて頭の中でなぞり 再び大声で叫ぶ三浦の顔を見る。 ドキドキが止まらない。 きっとわたしの顔も今、真っ赤に紅潮しているんだろう。 …でも、どうしてか何故か そんな感情が幾重にも重なり合った結果 それは堪えきれなくなった笑いとして 体の外に溢れ出ていた。 「うふ…ふふふっ…。」 とうとう抑えきれなくなり、わたしは三浦の目の前で 思わずクスクスと笑ってしまう。 そんなわたしに気づいた三浦が 胸元あたりまで赤く染めた顔面をわたしに向け うっすら涙を浮かべた充血眼で、わたしを睨んでくる。 「…わ、笑ってんじゃねぇよっ!!!!」 きっと三浦にとっては、迫真の怒りの感情表現。 いつもならわたしも躍起になって そんな三浦に同等の感情でぶつかるんだけど いかんせん三浦は今こんな状態。 対抗してあげようかとも思ったけど 視線を下ろすとすぐに飛び込んでくるソレを見てしまうと どうしても体中の力が抜けて それはわたしの口元を緩ませる力に変化してしまう。 わたしのそんな、完全に馬鹿にしたような態度に 三浦はそれでも強がろうとして、涙目のまま 馬鹿みたいな大口を叩き始める。 「…い、言っとくけど!!  お、…オレだって、毛くらい生えてるんだからなっ!!  きょ、今日はたまたま  剃ってきただけなんだからなっ!!!」 何言ってんのこのオス猿は… こっちが恥ずかしくなるような発言。 剃る必要なんて、どこにあるのよね全く… 生えてた方がよっぽど大人っぽく見えるって言うのにね。 大体それを訴える以前に サイズ的な問題の解決が先でしょ…。 …まぁ、きっと気が動転しちゃってるんだよね。 今の三浦は、きっと何を言っても 裏目裏目でてしまうような運命にあるんだよ。 体も行動も…今日初めて見た“局部”も 全てがまだまだ子供なのに なんでそんなに 大人っぽく強がって振舞おうとするのかね~…。 実際、いつものわたしなら そんな態度にイライラするだけだっただろうけど 全てを知ってしまった今 わたしはそんな三浦を ちょっと可愛な、とか思い始めていた。 「…そうなの?そんなふうには見えないけど。」 わたしは内心嬉し恥ずかしながらも 完全にいつも以上の感じを取り戻し これでもかと言わんばかりに、三浦の股の間を見てやった。 こんなに近くで男の子のゾウさんを見たのは初めて… くらいの距離。 いや、完全に初めて。 細かなシワ、ゾウさんの後ろに構える袋の形状なども 驚くほど鮮明に理解することが出来る。…小さいけど、ね。 ドキドキはもうずっと止まらない…。 でも何故か余裕なのは 三浦が可愛く思えてきたからか それとも当に恥ずかしさのK点を超えたからなのか…。 そんなこと、どっちにしても優位に立っている今 どうでもいいけどね。 で、三浦とのディベートの課題でもある問題の結果は 当然のごとく 剃り残しのような形跡など全く認めることは出来ず もっと言えば、産毛の“う”の字もないような つるつる君状態だった。
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