小説

イカサマG@ME 14

「…み、見てんじゃねーよっ!!!へ、変態っ!!!!」 自分の言動が裏目に出たとようやく気づき それでも必死に罵声を発する三浦。 そんな恥ずかしい状態のまま、変態っ!! なんて言われてもね。 格好の観点から言えば、完全にアンタの方が変態…だよ。 それにしても いつまでそんな強気な姿勢でいる気なんだか。 悪いけど、アンタがそんな態度でいる限り ずっと恥ずかしい目に遭い続けると思った方がいいよ。 …まぁ、アホ可愛い三浦の姿を もっと見ていたい自分がいるのも嘘じゃないから 暴れるだけ暴れてもらっても こっちとしては全く問題ないんだけどね。 …そんなわたしたちの 主に三浦にとって恥ずかしすぎるやり取りを 無言で聞いていたであろう 三浦の裏で構える同じくすっぽんぽんの森くんが 恥ずかしさと三浦の束縛で かなり疲れているであろう体に鞭を打って わたしたち2人に次なる要求をしてきた。 「…お、おい!と、とりあえず 三浦の足からズボンとパンツ抜き取っちまってくれよ…!」 完全にわたしたちサイドの人間となっている森くんが そう発言する。 そうね、森くんとしてはそれが終わって初めて 自分と三浦が同等の恥ずかしさを被ったって事実に 辿り着けるんだろうからね。 「足…離すぞ。暴れんなよ三浦。」 「…うるせー!裏切り者…!!」 あーあー…。 なんだか完全に仲悪くなっちゃったように見えるけど… まぁ…、森くんのことだし、すぐに仲直りできる…かな。 そんな些細な心配をしてる最中 森くんが三浦の両足を開放する。 ようやく自由の身になった両足を 三浦がこれでもかとばかりに前後させる。 …無論 足に纏わり付く脱がされたばかりの衣類によって その自由度が欠落して 海老のような、突かれたダンゴムシのような とにかく間抜けな動きにしか見えなくて またしてもわたしは そこに可愛さと言う魅力を感じてしまう。 その動きによって 自分のお宝が好き放題ぷるぷる暴れていることなど きっと三浦は気づいていないんだろうな。 自分の無意識な行動が わたしを興奮させてるとも知らずに…ね。 わたしはそんな三浦の動きを制圧しようと さっきのようにゆっくりと近づいていく。 再び近づいてくるわたしに 三浦はすでに汗まみれの猿顔に 攻撃的な目線を描いて見つめてくる。 「…来んなっ!!!それ以上来たら蹴り飛ばすぞっ!!!」 開放されても尚、動きづらそうな下半身を動かし わたしに後退を求めてくる三浦。 そんな三浦の要求などお構いなしに わたしは三浦に近づいていく。 いくらアホで馬鹿で猿な三浦だからって 女の子を蹴り飛ばすような 男子として下劣極まりない行為を してくるはずないモンね。 これと言って具体的な根拠を挙げられるわけじゃないけど それくらいの信頼は三浦に対して持ってるつもり。 …なーんて こんな場面で三浦のいい部分をアピールしてみるわたし。 貶してバッカじゃ可哀そうだモンね、優しさだよ優しさ。 実際、わたしが目の前まで近づいていくと 少し悔しそうにしてたけど 面白いように動きをピタッと止めていたから 前述した三浦の良い所1を、しっかり証明できたと思う。 ここまで来たら後は簡単。 足元にまとまったズボンの裾にわたしは手を掛けると それを思いっきり自分の方向へと引き寄せた。 …ふぅ、これで2人共、ホントにすっぽんぽんだね。 やっと実現した、もの凄く卑猥な情景に 1人恥ずかしさに襲われること必至だと確信している…と わたしの網膜が 視界の中に意外なモノを捉えていることに気づいた。 三浦の足から抜き取ったズボン。 …兼パンツだと 勝手に思い込んでいたわたしを少し恥じる。 三浦の足元に 最後の抵抗とばかりに留まったパンツが引っ掛かっていた。 それを見て、わたしは思わず吹き出してしまいそうになる。 …ちょっと三浦…… 何処までわたしの心を躍らせてくれるつもりなの…。 それは、紛れもなく、真っ白なブリーフだった。 きっと三浦にとっても 知られたくない事実の1つだったんだろう。 足に絡まったブリーフとわたしたちの方を交互に見ると 言い訳の言葉でも探しているのか 珍しくあからさまに困ったような表情を作り でも結局何も思いつかなかったらしく、ほぼやけ気味に 「…な、なんだよっ!!!!」 と、それでも高圧な言葉を吐いた。 なんだよっ!!じゃないよ。 蛍光灯の元で、燦然と輝く純白の白…。 「アンタ…、まだブリーフなんて履いてんの?」 微笑を含ませた口調で、わたしが三浦に意地悪にも問うと 「…ち、ちげーよっ!!!  今日はたまたまトランクスを全部  く、クリーニング屋さんに出してて…  ……その…  …し、仕方ないからブリーフ履いてきただけだよっ!!」 そう無理のあり過ぎる言い訳を 真顔×照れ顔×猿顔で訴えて 自らの足で、絡まるブリーフを猿らしからぬ機用さで解くと ひょいっと、靴飛ばしの原理でそれを蹴り投げる。 予想以上に高く舞い上がったブリーフは わたしたちの頭上を軽々と越えていき そのまま、Gの力で放物落下をするのかと思うと… 残念、部屋の蛍光灯に見事にひっかかり そこを定位置として停止した。 「…ぷっ。」 思わず笑ってしまうわたし。 今の今まで三浦に夢中で 完全に千佳のこと忘れてたけど(ごめん…) そんな千佳も 流石にこれには笑わざるを得なかったみたいで わたしと同じく…って言ったら嘘になるのかな。 上品に、笑ってた。 当事者の三浦はと言うと…、もう言うまでもないか。 …って言うか ホントやること為すこと上手くいかないね、三浦。 わたしとしてはそれらの全てがツボで 不本意にも愛おしく思えてきちゃいそうな領域にまで 達しようとしてるんだけど。 と、経緯はどうあれ ようやく罰ゲームがしっかり敢行された。 何も身に付けていないクラスメイトの2人。 …計画通り。 特に三浦は ホントにさっきこの部屋で産声をあげたばかりの 猿の赤ちゃんみたいに見えて仕方がない。 …やっぱり、可愛い。 すっぽんぽんの男の子が すっぽんぽんの男の子を羽交い絞めにしてるって言う もの凄く異常で もの凄くエッチなシチュエーションだけど 深く考えてたら わたしの方がどうにかなっちゃいそうだったから 三浦のバカさと可愛さを思い出しつつ わたしは何とか正常を保っていた。 「…ふぅ、やっと全部脱いだか。」 「…、うるっせー!」 体を縛る森くんの問いに、少し震えた声で返答する三浦。 鼻をすする仕草や、少しだけ充血した目から 今にも泣いてしまいそうなものを感じたけど 目から雫が滴り落ちることは最後の最後までなかった。 そこはやっぱり男の子なんだね。 小さいけど、ちゃんと付いてるもん。 もし何かで必要になったときは わたしが証人になってあげてもいいよ。 「…もう、三浦解放してやってもいいか?」 わたしの優越感に割り込んできたのは、森くんの声。 自分から進んで三浦のこと身動きできなくさせといて その解除の主導権はわたしに託すのね。 寝返りも、ここまで来ると晴れ晴れしいものね。 そうね…。 いくらなんでもこれ以上 三浦を恥ずかしい目に遭わせておくのも ちょっと流石に気の毒になってきたし もう十分いろいろ見せてもらったしね。 これで三浦も少しは今後大人しくなるでしょ。 「-うん。いい…」 快諾の意を森くんに告げようと、返事をしているその最中 わたしの中の悪知恵が、突如として産声をあげてしまう。 「…あ、ま、待ってっ!!!」 「…ん?」 咄嗟に前言撤回を求める。 …いい案が思いついちゃったんだからしょうがない。 ちょっと、試したいことが出来ちゃった。 つくづくわたしって悪い女だなぁって この数分間で思ったよね。 -ちなみにこれは、オプションとは別だから、ね。 ふふ。
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