小説

イカサマG@ME 19

-チョ、チョロロ……  …シ、…シャーーーーーー……… 目の前で静かに溢れ出し始めた、三浦の…おしっこ。 予想していた通り、ゾウさんの鼻の先っちょの 小さな小さな穴が出口になっていたらしく そこを起点として、黄色い液体が勢い良く わたしの持つ簡易トイレの中に注ぎ込まれていく…。 男の子のお手洗いの実態… 立ったままするって言うのくらいは当然知っていたけど 実際のところどうやってしているのか まったくと言っていいほど知らなかった。 …その長年の疑問が まさかこんな形で解決されるなんて…ね。 三浦の体の中で、唯一曝け出されてしまっている放尿口… そう考えるだけでも良く考えると凄くエッチだけど こんなに簡単に男の子って おしっこが出来ちゃうんだ…と言う その事実も、わたしとしては新たな発見だった。 …と、そんなエッチな知識の蓄積に 舌鼓を打っている暇などあるはずもなく 三浦の放尿は留まることを知らずに続けられる。 その液体が紙コップを満たしていくたびに それを通じてわたしの手には その生温かい温度が伝わってくる。 同時に 当然のごとくそのニオイがわたしの嗅覚を刺激する。 いいニオイのワケない…当然臭い…でも… 興奮しすぎているせいか、何故か嫌な気はしなくて… ただ…ドキドキしてた。 三浦は今、どんな顔しておしっこをしているんだろう… それに、千佳や森くんは…? どんな顔してこの光景を見つめているんだろう…? 三浦から届けられる 黄色い贈り物を受け止めることに精一杯で 今周りに視線を移す余裕なんてあるはずもなく それを確認することは不可能なんだけど… …大体わたしたち、なんでこんなことしてんのよ…!? 普通に考えておかしすぎるでしょ?ねぇ、三浦っ!? …なんて言ったって 諸悪の根源は全てわたしにあるんだった…。 正直、わたしも頭がおかしくなっちゃってて 自分が何をしてるんだか、何をしたいんだか 良く分かんないんだよね…。 …いや、何をしたいのかは、分かるのかな…、と 「…え、ちょっ…!!」 わたしがわたしの中のわたしと闘っている数秒の内に 気がつくともう、“三浦”から溢れ出る液体は 紙コップの限界容量の9割方を占めるほどの位置までに 達していた。 慌てて発したわたしの混乱交じりの叫びに 今までずっと眼を瞑っていたのか 三浦もようやく気づいたらしく 「ぬわぁっ!?」と驚きの意を発し 残り残量5%と言ったギリギリのところで キュッ…と、ゾウさんの水遊びをストップさせた。 おしっこが溜まりに溜まった紙コップを両手で抱えたまま わたしは視神経を簡易トイレ+鼻を摘まれたゾウさんから 上方へと移動させ、数秒振りのはずなのに 久方振りな気がしてならない三浦に 恥ずかしながらに目配せをする。 見上げるわたしと、見下す三浦の視線がぶつかり合う。 逆光でよく分からないけど きっと飽きもせずにまだ真っ赤。 数秒のときがそのまま流れる。 三浦は未だに右手でそれを固定させたまま 左手でズリ下ろしたまま 当然ゾウさんも丸出しのまま… 三浦の顎の先端に、顔中から溢れ出る汗が溜まり 沈黙した2人の空間を打開するかのように ポツンとカーペットに滴り落ちる。 …ど、どうすればいいの…わたし……? 「…コメ…」 「…え?」 小さくかすれた声を三浦が漏らす。 「…2個目…を…」 …2…個目…?2個目…って……? その言葉…その顔…その恥じらい… 頭でそれらを結びつけ、三浦の要求が “まだおしっこ溜まってる、だから 2個目の紙コップ持ってきて“ と言うものであると、わたしはきっと瞬時に解読する。 「…え、…えぁっ……、は、はいっ…!!」 もう終わりだと思っていたから わたしは不意を突かれてしまい その結果、立場が逆になったような対応になってしまった。 並々になった紙コップを わたしはそっとカーペット端のフローリングに置き 三浦に言われるがままに自分の机にそれを取りに向かう。 …ここで指示通りに動かなかったら 三浦はどうなるんだろう… そんな疑問と悪知恵が このわたしに浮かばなかったのはきっと それだけわたしも一杯一杯だったってことだよね。 引き出しから めんどくさいから袋ごと紙コップを取り出し それを持ったまま即座に三浦の元に戻る。 千佳と森くんの様子は…、全く気にする余裕がなかった。 気づくとわたしの目の前には、さっきと同じ光景 三浦により調教真っ最中のゾウさんが どこか貫禄の面持ちで構えていた。 わたしは慌てた手つきで紙コップを1つ抜き取り その前にゆっくりと差し出す。 …と同時に すぐさま再開される、三浦の不純物混入液体放出行為。 我慢してたんだよね…よく頑張ったね… おかと違い甚だしい感情を心の中で呟きながら わたしはその液体のキャッチワークにいそいそと勤しむ。 綺麗なその黄色は、わたしに小休憩を与えることもなく すぐさま2個目のお手洗いすらも一杯にしようとしていた。 そして先ほどと同様、約9.2割ほどを満たした状態で 三浦は再びその行為に歯止めをかける。 その0.3割ほどのさっきとの微妙な差に こんな卑猥な行為にも、既に慣れを覚え始めている三浦の 猿らしからぬ何とやらを見出していたりもした。 終わり…それともまだ出る…? そんなこと 三浦のジョン君(仮)を見ただけじゃ分かるワケない。 …なんとなく、分かってたけど…さ。 「も、もう…大丈夫…?」 「……いぁ、も、もちょっと…」 「…そ、そか。」 「…うん、……す、すまん…。」 …もう、なんで謝んのよ… 悪いのは明らかにこっちでしょ? 自分のせいでわたしが大変な目に逢ってる…とか そんな勘違いでも芽生えちゃったのかな…。 なんか変に人がいいと言うか、ことごとく馬鹿と言うか… そんな風に三浦が照れたり弱腰になったりするたびに わたしには、可愛いという感情が面白いように蓄積されて その結果として、もっとそれを見ていたい、 それ以上のものを見てみたいと言う ハレンチな向上心が成長しているって言うのにね…。 …そうだよ、わたしが悪いんじゃない。 全部コイツが悪いんだよ。 コイツがちゃんと従順に罰ゲームを被って 潔く全てを認めて ごめんと一言謝りさえしていれば こんな…こんなあり得ないことには 発展してなかったんだよ。 そんなことを思いながらわたしは、差し出した3個目に 飽きもせずに注がれ始める 三浦のイエローシャワーを眺めていた。 …正確には イエローシャワーを生成しているジョン君を眺めてた…か。 …と、同時に もしわたしが負けてしまっていたとしたら… そんな 悪夢のようなかき消された未来も、少しだけ想像してみる。 …ゾッとするよ。 たまたま手元に残っていたのがジョーカーだった。 ただそれだけの些細な不幸で 今のこのわたしと三浦の立ち位置が 逆になっていた可能性だってあったんだもんね。 それに良く考えたら、三浦も言ってたけど 実際に負けたのは森くんの方… その森くんにさえ裏切られて、やること為すこと空回って 挙句の果てに 女の子の部屋の中でおしっこしなきゃいけなくなって… 過程はどうあれ、どう考えても一番の被害者は三浦だよね。 …こんなことしてるわたしが言うのもなんだけどさ。 …自業自得だけど、ちょっとだけ、…ごめんね。 絶対に面と向かっては言えるはずもない言葉を 心の中で それだけなのに恥ずかしくなりながらも、呟いた。 それと、勝たせてくれたトランプの神様に …いや 最後の最後に勝利を掴み取ってくれた千佳に…だよね。 最上級の懺悔と、結局自分本位な感謝を こんな卑猥は状況の最中に、1人人知れずに 実行していた。
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