小説

雑草と太陽 12

鹿島とノリの登壇が、注目を呼ばないはずもなく、 全ての帰ろうとする足が止まり、向きも中へと戻される。 ―なんだなんだ? ―え?また…? ―やだぁもぅっ…。 当然の反応、気にならないはずがない。 …ノ、ノリ……。 「みんな知ってると思うけど、昨日俺と大野で、  また50m走で対決をした。」 依然一方的にノリの肩を組んだまま、鹿島が飄々と語り始める。 「で、まぁ何と言うか、またまた俺が勝利を収めた。  んで、知っての通り、その罰として、  大野がフルチンマッパになった。」 申し訳のかけらもなく、まるで得意気にそう話す鹿島。 ―あっはは!ストレート~!! ―もうっ、変なこと言わないでよっ!!! ―やだぁ!!! ヤジ合戦の教室。ノリは…、 …ダメだ。もう、見れないや。 「なんでぇ、バッチリ見たくせに。  なぁ?可愛いちんこだったよなぁ?」 「…っ!!私に聞かないでよっ!!!」 「ほーら、やっぱ見てんじゃん。」 「…っ!!!」 「うっは、エッロー!」 「あ、あんただって見たくせにっ!!!」 「俺は見たぜ、こーんくれーの。」 「おい、言ってやんなよw」 「けけっw」 「…っ!!あ、あんただって見たでしょっ!!」 「あ…、あたしはっ…!!!」 ……っ、………。 「まぁ、みんなで大野のちんこを見たってこった。」 「くっははwwひっでぇww」 「っ……。」 …………、…。 「んであの後、流石に俺もちょっとびっくりしたんだけどさ。  また大野から、再戦を申し込まれた。」 …っ!? 「…えっ。」 「…うっそ。」 「マージかよw」 「な?大野。」 「………。」 ……。 「そう言うこった。」 「うへー、マジかい。」 「懲りねーなぁw」 「…あ、でもよ~。」 「その通り。」 ……っ!! 「次また負けたら、またちんこ出すって、これじゃあ芸がないよな。」 「芸ってw」 「それに、みんなもう大野のちんこに飽きちゃったかもしれないしな。  んで見に来てくんないとかなったら、それはそれでつなんないし困る。」 「やだもーう。」 「もう鹿島やだぁ!!!」 「まぁ俺は行くけどな、女子の反応面白いし。」 「俺も俺も。」 「何よそれー!!」 「ほらほら、こう言うのこう言うの。」 「もうっ!!」 …………。 「だからな、今回は更にその上を行ってみようってことになったわけ。」 「おいおいおいおい。」 「大丈夫かよw」 「もったいぶんな~、早く言えよ。」 ……っ。 「次はな。」 「おうおう。」 「なになになに。」 …っ。 「次はな、勝ち負け関係なく、  最初っから素っ裸の状態で、対戦するんだとよ!」 !? 「!!!!!」 「ちょwwww」 「うっ…、そぉ…」 「大野マジかよっ!!!ww」 「…そ、それって……」 「そうつまりぃ、今回はぁ、  見に来れば確実にぃ、また!大野君のおてぃんてぃんが見れまーす。  しかも今回はぁ、それがぁ、全力疾走でぇ、  …プルンプルンプルンプルンプルーーーーン!!!!!  そう言うことでーす。きっひひw」 ……んぐっ……っ!!!! 「もーーーーーーう!!!!」 「エッローーーーー!!!!www」 「きゃーーーーははっ!!!!」 「すっげーなおい!!!www」 「てか、ちんこ出すのはもう当たり前なのなw」 「うわぁ、マジ俺は絶対無理。」 「あたりめーだろw死ぬわw」 ……んんんっ……!!! 「言っとくけど、大野がやるって言ったんだからな。  一応、念のため。」 「鹿島がやれって言ったんだろww」 「いや、…あー、まぁ、…んでも、  大野も分かったって、言ったんだよ。な?大野。」 「ホントかよ、大野。」 「………。」 「…な?そう言うこった。」 「ひゃー…、マジ、すげーわ。」 「ホントに?」 「…考えられんw」 ………っ。 「…ちょい待ち、ってかさ、」 「その通り。」 っ。 「驚いてほしいのが、今言ったのが、負けた罰ではないってこと。」 「…あ。」 「そう言えばw」 「だよなぁ。」 「ねぇやだもぅ…」 「もし大野がまた負けちまったらな、今度はな、」 「なんだよ。」 「早く。」 「焦らすなー!!」 「言ったれー!!」 「………、……あー。」 「え?」 「ん?」 「なんだ?」 「…すまん、ちょっと俺の口からはとても、その、  恥ずかしくて言えねーわ。」 っ。 「なーんだよそれぇ!!!」 「気になんだろーがぁ!!!」 「なんで鹿島までちょっと照れてんだよ!!w」 「いや、その、それくらいその、ヤバいヤツなんだよ。  …な?大野。」 「………。」 「やっべー、ってか、ヤバくね?」 「よく分からんが、まぁ、ヤバいだろーなw」 「まぁ、答えが知りたかったら、見に来てくれよな!ってこった。」 「…ま、負けねーからっ!!!」 「お、大野が喋った!!」 「いいねー、強気で結構結構!  でも、勝つとか負けるとか関係なく、  走るときはちんこ丸出しだってこと、忘れんなよな。」 「………っ。」 ……っ!! 「鬼畜過ぎるwwww」 「あっはは、大野顔が赤いぞ~。」 「大野も照れるときあるんだなw」 「あっはは、意外と可愛いとこあんじゃん。」 「もうやだ~…。」 「お前らも絶対に見に来いよな。」 「…な、なんでよ…!!」 「言う必要ないって、こいつら全員絶対見に来るから。」 「う、うるさいっ!!!」 「ほらな。」 「…もうっ!!!」 …………。 「あ、それと。」 「ん。」 「なんだなんだ。」 「まだ何かあんのかよw」 ……。 「今回はあまりにも大野へのプレッシャーがきつ過ぎるから、  もし俺が負けたら、俺も罰受けることにした。」 「お。」 「はいはい。」 「もし俺が負けたら、みんなの前で…、  この、俺の生プリケツ見せちゃいまーす!!」 「いえーーーーい!!!!」 「きゃーきゃーーー!!!www」 「くだらねーーーwww」 「絶対見せる気ないだろっwww」 「もーう!!」 …。 「…てぇこった!!  決戦は一週間後の今日!!場所はこれまでと同じあそこ!!  みんな奮って参加するように!!以上っ!!!!」 「はーーーーーーい。」 「行くに決まってんだろ~!!」 「行かなきゃ損損っ!!!だなwww」 「もぅ……。」 。 「小池、追いかけなくていいのか~?」 …っ。 「大野、一人で不安がってると思うぞ~。」 「さぁ、ダーリンの元にレッツゴー!!」 「おい、だから止めとけって。」 ……っ。 「お、さすが。」 「頼んだぞ~。」 「よろしくな~。いっひひw」 …行かないわけ、ないだろ。
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