小説

少年裸祭り 【捨】

間宮 桃子
  • 間宮 桃子
  • 2009/01/03 08:27
  • 神社の石段
ついにやってきた、お祭り当日。 わたしたちは今9時の開始を待って神社の石段近くにいる。 朝早いって言うのに凄い人! ざっと見ただけでも200人くらいはいそうだな~。 同じ学校の子達も何人かはいるのが分かる。 いつもはどれくらいいるのか分からないけど きっと多いほうなんじゃないかな?分かんないけどね。 「いよいよ始まるね~わくわくしちゃう!」 そう言うのはいつみちゃん。 ディズニーに来たかのようなはしゃぎっぷりw わたしもこんな風に楽観的に見学したかったなぁ… なーんて。 「楽しみって言っても  あの3人が歩くのを見るだけだけどねw」 佳奈ちゃんは余裕綽々って感じみたい。 今日は弟の隆くんも一緒。 そうなんだよね、実際祭りって言ったって 男の子たちが海まで歩いて 身を清める様を見てるだけなんだけどね。 それでも…やっぱり昨日はドキドキして眠れなかった。 わたしがドキドキしてどうすんのって話だけどさ…w きっとあの3人はわたしなんかよりも何倍も今 緊張してるんだろうけど。 …なにより、寒いよね。 お祭り、お祭りって頭の中で唱えても どうしても褌一丁姿の西島くんを想像して 恥ずかしくなっちゃう。 プールの時間に西島くんの裸を見たことはあるけど そのときですら ちょっとドキドキしちゃったくらいだもんね。 …ってゆーかわたし西島くんのこと見すぎだよね… 我ながら酷いなぁ。 …で、それで今日はその西島くんが 褌姿になっちゃうってことで…。 プールの水着よりも、きっとエッチなんだよね…。 と、とりあえずお尻は見れるよね… み、見れるって!何言ってんのわたし…。 「あ!」 私が1人ドキドキしていると、いつみちゃんがそう叫び わたしはビクッとしながらもそちらを向くと そこにいたのは木下先生だった。 「先生~!来てたんですか!あけおめです!」 「あめおめでーす。」 「おめでとうございまーす!」 「あらー仲良し3人組じゃなーい。  あけましておめでとう!」 仲良し3人組って、そんな風に見られたんだw まぁ実際仲良いけどさw ふと先生の手元を見ると ハンディカメラを持ってるのに気づいた。 聞いてみると、どうやら今日の裸祭りの様子を撮るように 校長先生に頼まれたらしい、まぁあの3人が出るからね。 学校行事って言えば学校行事なのかもね。 「コウスケトリオが出るって言うんだからね~。  先生が黙ってるわけないじゃないね!w」 見た目はメガネをかけてて 何も喋らなきゃ寡黙そうに見える先生だけど 実はすごい熱かったりするんだよね。 クラスでの行事とかの時も、いつもホントに一生懸命 私たちと向き合ってくれるし それこそ本当に優しくて ときには厳しいいい先生って感じ。 きっとわたしたちのクラスのことを 誰よりも愛してくれているんだろうなってことが すごい伝わってくる。 それと同じくらい、もちろんわたしたちみんなも 先生のこと好きだけどねw そんな先生は、今日もバッチリやる気満々って感じ。 「ちょっと先生!まだ30分前ですよ!  なんでもうビデオ構えてるんですか!w」 「え?あ、ホントに?まだそんな時間?や、やだなーもう。  …まぁ善は急げって言うでしょ!」 「なんですかそれーw」 新年からすごい飛ばすなー先生w …でも、少し緊張の糸が解けた気がする。 あと30分か… 何をドキドキしているのやら…はぁ。
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