小説

少年裸祭り 【弐拾弐】

木下 奈緒美
  • 木下 奈緒美
  • 2009/01/03 09:00
  • 神社の石段
「お、9時だよ~!」 祭り開始の時間になった。 わたしはカメラのRECボタンをオンにして 気を引き締める。 みんなの勇姿、バッチリ撮るからね! 一緒にいる私の教え子3人も今か今かと待っているみたい。 みんなお目当ての子とかがいるのかな?w クラスの恋愛事情とか全く知らないからな~私。 西島くんが人気なのは、良く分かるんだけどねw 「まだかな?まだかな??」 体をぴょんぴょん跳ねながら 神社の方に目を向ける藤木いつみちゃん。 いつも明るい彼女はクラスでもムードメーカー的存在。 今日も、自分は見学するだけなのに 参加するんじゃないかってくらい お祭り気分を満喫してるのね。 「ちょっといつみ!はしゃぎ過ぎ!w」 そう言うのは石田佳奈ちゃん。 しっかり者で面倒見がいいんだよねぇ彼女。 きっとこのグループの中では まとめ役って感じなんだろうなw その後ろにいるのが間宮桃子ちゃん。 おっとり系って言うか癒し系って言うか。 将来きっと美人さんになる顔立ちよね。 なんて言ったら他の子に失礼になっちゃうけどw いつもニコニコしてて このグループの中では聞き役なのかな? 分かんないけどね。 …でも今日はちょっとなんか元気にない感じするなぁ。 どうしたんだろ。 「まーみーやーさん!」 「…え、へ?あ、は、はい!!」 私の声にビクッとする間宮さん。ボーっとしてたのかな? 「どうしたのー?元気ないみたいだけど。」 「…い、いや!そんなことないですよ!  す、すっごい楽しみです!」 明らかに無理してる感が出てるけど 具合が悪いとかそう言うのじゃないみたいだから ちょっと安心。 でもなんでそんなに緊張してるんだろ。 …あーコウスケトリオの中に好きな子がいるんだなきっと。 まぁそこは問い詰めないけどさw 好きな男の子の褌姿想像してドキドキしてるのかな? ふふ、可愛いw 「そう?ならいいんだけどね。  リラックスよ、リラックス!w」 「…あ、はい!」 ふふ、ガチガチねw ブオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン… 法螺貝を吹く音が神社周辺に鳴り響く。 いよいよ始まるみたい。 「始まる始まるー!」 「いつみ!うるさいよもう、恥ずかしいから!w」 「(ドキドキドキドキ…)」 三者三様の気持ちが入り乱れつつ… お、出てきた出てきた!
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