小説

少年裸祭り 【参拾】

藤木 いつみ
  • 藤木 いつみ
  • 2009/01/03 09:30
  • 石田家前
20分くらいかな。 男の子たちは町を歩いたあと 佳奈の家の庭に入っていった。 そのまま海岸に行くのかと思ってたけど 佳奈の家に途中寄るなんてねぇー、知らなかったよ。 佳奈も何か仕事頼まれてるのかな。 だから急いで自分の家に戻っていったのか。 んもー、それならそうと言えばいいのにねぇ。 …てなわけで、今わたしと桃子は佳奈の家の前で 男の子たちが出てくるのを待っている状態。 周りには凄い人だかり。 多分100人くらいいるんじゃないかな。 いやもっとかな。 とりあえずいっぱいいるのは凄く分かった。 あ、そうそう桃子と2人で歩いてて気づいたんだけど 桃子、西島のことずっと見てるんだよねw まぁわたしもコウのことずっと見てたけど 桃子ったらホントずーっと西島ばっかり見てるのw 今まで気づかなかったけど きっと西島のこと好きなんだろうな。 まぁモテるしねーアイツ。わたしは俄然コウだけどさ。 「桃子ー。いっぱいお尻見れちゃったねw」 「な、何言ってんのいつみちゃん!  そ、そんな見ることが目的の祭りじゃないんだよ!」 わたしの質問に顔真っ赤にして答える桃子。 もうホントにウブなんだからw 「西島のお尻、可愛かったよねー。」 「…!!  …べ、別に西島くんのお尻なんて  きょ、興味ないもん!」 もう、動揺しすぎw分かりやすいんだからw でもそう言う桃子の素直なとこ、凄い好きだよんw と、たわいもない話で桃子を弄っていると 佳奈の家の玄関から、佳奈のお母さんが出てきた。 「あ、こんにちは!」 「…ん。  …あらぁ、いつみちゃんに桃子ちゃんじゃない!  はい、こんにちはぁ。」 「佳奈って家に戻ってますか?」 「…ん、あれ?一緒じゃないの?  てっきり2人と一緒にいると思ってたんだけど…。」 「…いや最初はいたんですけど  途中で先に行っちゃって…ねぇ?」 「うん、すっごく急いでたよね。」 「あらー…変ねぇ、家には帰ってないはずだけど…。」 「ふーん…変なの。」 どうしたんだろ、佳奈、なんか用事でも思い出したのかな。 …ま、佳奈のことだしね、心配する必要はないよね。 わたしたちの何倍もしっかりしてるしさ。 「今、男の子たちって何処にいるんですかぁ?」 「ん?あーウチの庭にいるわよーみんな。  外からじゃ見えないけど、すぐそこに。」 「あ、そなんだ。」 なるほど。   「…これって入っちゃいけないんですかね?」 「んー別に規制は全然してないから大丈夫だと思うけど。」 「ホントですかー!?」 せっかくだし近くでコウのカッコいい姿みたいなぁ! 「桃子!一緒に行かない??」 「えぇぇ!? い、いいよぉわたしは。」 「なんでー、せっかくだしさ!」 「え、で、でも…  ご、ごめんわたしはここで待ってるよ。」 もーう、桃子ったら、恥ずかしがりなんだからw しょうがないなぁ。 「それじゃちょっとわたし見てくるね!」 「え!…あ、ぁ、…うん。」 ホントは行きたいのにって顔だなぁ、もう。 そう言うとこ素直じゃないんだからw わたしが少し素直すぎるのかな? ま、いいや。 とりあえず、レッツゴー♪
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