小説

少年裸祭り 【参拾九】

間宮 桃子
  • 間宮 桃子
  • 2009/01/03 10:17
  • 石田家前
「おーい!坊主たちが出てくから  入り口付近を空けてくれー!」 ようやく厄付けって言う儀式が終わったみたいで 佳奈ちゃんの家の中からその合図が聞こえてきた。 その声の指示に従って 少し佳奈ちゃんの家から海岸よりに移動して 男の子たちが出てくるのを待ち構える わたしたち4人。 「いよいよだねー!」 相変わらず元気の良いいつみちゃん。 わたしと言ったら… この1時間くらいの間に、いろいろなことがありすぎて 普通な振りしてるけど ホントは頭いっぱいいっぱいなんだ…。 これでも落ち着いた方なんだよ…。 まず裏口に入る直前にね、山井くんの…その… おちんちんを見ちゃった…。 そこにいたことにもビックリしたんだけど 最初は普通に声かけようと思ったんだ。 …でもその…ちょっと近づいてったら 急に目の前に水が滴り落ち始めたんだよね。 最初は何が起こったのか全然分からなかったんだけど その水が描く放物線を辿ってったら それがなんなのかが分かった。 …あれが…おちんちんなんだよね。 わたし、始めて見たんだよ…。 褌の横からポロンって顔を出す山井くんのおちんちん。 漫画でしか見たことなかったけど ホントに…ゾウさんみたいだった…。 肌の色が色黒だと、おちんちんも色黒なんだね。 それで、その先っぽから元気良く放水される…おしっこ。 多分あれが…『立ちション』って言われるやつだよね。 男の子ってあんな方法でおしっこするんだね。 …まさか初めて見たおちんちんが おしっこの最中だなんてね…もう頭パニックだった。 そして徐々に勢いを失って 最後の一滴が地面にこぼれる。 …それまでおちんちんに釘付けになってたわたしは そこでハッと我を取り戻す。 山井くんの顔を見ると、自分のおしっこに夢中って感じで こっちを向いてなかったから 多分わたしには気づいてなかったはず。 山井くんがおちんちんを プルプル揺すってるのを横目で見ながら わたしは気づかれないように慎重に かつ極力急ぎながら裏口のドアを開けて 中に入った。 きっとドアが閉まった音には気づいたと思うけど わたしがそこにいたって言うことは 気づかれなかったはず…。 頭の中でおちんちんがプルプル揺れて 体中が熱かったから とにかく早くトイレに入って落ち着きたかった。 おしっこなんて、完全にもう忘れてた。 我を忘れて一目散に裏口に入って すぐのトイレのドアを開けた。 … ……と思ったんだけど わたしはそこでも驚愕のシーンを目撃してしまった。 …ママがいたの。 …なんで?なんでママがいるの? 最初の疑問はそれだったけど そんなの一瞬でどうでも良くなってた。 …目の前に、すっぽんぽんの鈴谷くんが立ってたの。 …もう何がなんだか全く分からなかった。 とにかく一番分からなかったのが 鈴谷くんがすっぽんぽんだってこと…。 さっきまで褌履いてたのに…なんで? そんな疑問を頭で噛み砕く暇もなく 視界にいやがおうでも飛び込んできたのは …そう、鈴谷くんのおちんちん。 わたしの出現にあっちもビックリしたんだろうな。 隠すことなく、丸出しの状態だった。 男の子らしくて色が白い体の真ん中についた 真っ白な鈴谷くんのゾウさん。 色黒の山井くんのおちんちんを見た直後だったってことと 山井くんのときと違って 真正面からバッチリ見ることができたことから 今でも鮮明に頭に焼き付いてる…パオーンって…。 大きさ的には2人とも同じくらいだったかな…。 なんて、そんな状況にもかかわらず しっかり2人のを比較してるわたしって… なんなんだろね、もう…。 しかも鈴谷くんのゾウさんにはね… 髪の毛が生えてたの…髪の毛とは言わないか。 山井くんのはツルツルだったはずなんだけどね。 もう…大人って事だよね。 真っ白な体の中で、そこだけが真っ黒に染まっていたから 余計にそこが映えて見えたんだ…。 …そこまで頭が働いた時点で 見てたおちんちんがようやく鈴谷くんの手で隠された。 そこでようやくまた正気を取り戻すわたし。 鈴谷くんの顔を見たら目を丸くして 頬を染めてた。 もうどうしていいか分からないくらい恥ずかしくなって… わたしは一言「ごめん」って謝って その場から逃げ出しちゃった…。 外に出て気づいた。 山井くんのおちんちん見て よっぽど動揺してたんだろうな。 トイレとお風呂場の場所を勘違いして 開けちゃってたみたい。 もう…ホント何やってんのって感じ。 それで今度こそ急いでトイレに駆け込んで しっかりと鍵をかける。 やっと落ち着ける…落ち着ける…と思ったけど 落ち着けるわけなんてないよね…。 プルプルプルプル頭の中で揺れる、2本のおちんちん。 もう…顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて体が熱くて どうにかなりそうだったよ…。 おしっこしたのは 体の火照りが抜けた5分後くらいだったかな。 ようやく済ませて、お風呂場の脱衣所から 物音が聞こえなくなったのを確認して 急いで裏口に向かって脱出した。 それでいつみちゃんたちと合流して今に至るって感じ。 …ホントに…もう。 わたし駄目になっちゃいそうだよ。 1日に2本もおちんちんを見ることになっちゃうなんて… …そう言えばおちんちんの数え方って 1本2本でいいのかな… …し、知らないよもうそんなの! とにかくコウスケトリオの内の 2人のおちんちんを見ちゃったんだ…。 でもね…落ち着いた今改めて考えるとね。 …なんかこのまま行くと もしかするともしかする気がするんだよね。 …もしかするって言うのはその… 西島くんのおちんちんも見てしまいそうな気がする。 …根拠はないけど、そんな予感がするんだよね。 …でもそれ以上に ここまできたらいっそ 西島くんのも見てしまいたいっていう気に なっちゃってて…。 …とか、もうわたしやっぱり頭おかしくなってるよね…。 いけないいけない邪念は捨てなきゃ…! …そうそう、そう言えば さっきから佳奈ちゃんの視線をもの凄く感じるんだけど …気のせい…だよね? わたし何もしてないもんね…。 …そんなパニック状態の頭をフル回転させていると やっと男の子たちが佳奈ちゃんの家の中から姿を現した。
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