CFNM日記

曖昧サンドイッチ 7

(2011年12月23日 16:54)

「ホントにー?」
「どーなんだ?福。」
「こーたーえーなーさいっ!!」

久音ヶ丘北小学校。
6年3組、給食の時間。

「ち、ちげーよっ。
 あれは、勝手に、姉ちゃんが入ってきただけで、…
 別に、一緒に入ってるってわけじゃ…。」
「えーーーー!!!
 やっぱ入ってんじゃねーかーーーー!!!」
「えー、信じらんなーい…。」
「すっげーーー!!」

みんなの視線を独り占めにするのは、3班の福。
何処からともなく、滝本家のお風呂事情が、
3組の誰かの耳に届き、それが広まってしまったらしい。

「やっぱ、姉ちゃんの裸とかも、
 見れちゃったりしちゃったりするわけ?」
「あ、あれはっ、
 姉ちゃんが隠そうとしないから…、
 …あっ。」
「うっは!!やっぱ見てんだ!!」
「やだ~~~~っ!!」
「ち、ちがっ…!!」

大勢に注目されることが、あまり得意ではない。
とても居心地が悪そうである。

「福の姉ちゃんって、結構美人だよな?」
「確かに。やっぱ、
 姉ちゃんの裸でも、興奮したりするわけ?」
「しねーよっ!!!」
「もうっ!!」
「男子エローーーイッ!!」

からかわれ放題の福。

「はいはーーい!!
 俺もう1つ情報持ってまーす!!!」
「……?」
「なになに?」
「えっと、なんと、
 小2の妹とも、お風呂入ってるらしいでーす!!!」
「っ!?」
「えーーーーーー!!!!」
「うっそーーーー!!!」
「ロリッ!?」
「ちっげーよっ!!!
 あれも、妹が勝手に…!!…あっ。」
「やっぱ入ってんだ!!」
「すっげーーー!!!」
「…………(唖然の女子)。」

次々と暴露される噂を、不本意にも全て肯定してしまう福。

「さらに、それだけじゃありませーん。」
「なんだよっ、も、もういいだろっ!!」
「なになになになに。」
「もったいぶんなって。」
「はよ。」
「なんと福、妹の目の前で、
 ちんこぶらぶらさせて、
 見せびらかしてるらしいでーーす!!!」
「!?」
「えぇーーーーーーー!!!!!」
「あっははははははは!!!!!!」
「エッローーーーーーー!!!!」
「やぁだぁーーーーーー!!!!」
「違うっ!!あ、あれはっ!!!
 妹が、やってって言うから…!、やってる、…だけ、で…、
 …あっ。」
「やっぱやってんじゃねーか!!」
「マジなんかーいっ!!!」
「やるな~福!」
「うっそ~……(唖然の女子)。」

上手く誤魔化すのが苦手な福。
もの凄く、顔が熱い。もう、何も言えない。

「まぁ、福、妹思いだもんな。
 妹に頼まれちゃったら、揺らしてやるしかないよな。」
「…うるっせー。」

何のフォローにもならない。
恥ずかしいことに、何も変わりはない。

「ちなみに、福の妹曰く、
 福のはなかなかおっきくて立派とのこと。」
「やぁーだぁー!!!」
「あっはは!まぁ確かに、
 けっこうモッコリしてるもんな、福。」
「やーめろっ!!!」
「あ。あと、
 ちんこ揺らすときのセリフは、
 『ち~んち~んぶ~らぶ~らソーセージ~。』
 だそうです、以上っ!!」
「っ!?」
「あっはははは!!!」
「もーーーーーう!!!!」
「最後に爆弾キターーーーー!!!」
「ソーwwwセーwwwジwww」
「…………っ!!」

反論しようにも、驚くくらいに、全てが事実。
最悪だ。
こんなに恥ずかしいことはない。

「まぁまぁいーじゃねーか。」

慰めているのか、からかっているのか、
福の肩や頭をポンポンと叩いて喜ぶ男子。

信じらんなーい…、あの滝本君が…。
意外過ぎる衝撃の事実に、ただただ唖然呆然の女子。

しかも、ちんちんぶらぶらソーセージ…。
妹のためにそれを披露する福の姿を勝手に想像して、
人知れず頬を染める子も、数名、いや、多数、いた。

なんでこんな恥ずかしい情報が、出回っているのか。
しかも、こんなにも詳しく、こんなにも正確に。

その疑問の答えとして、思い当たる節が、福にはあった。
思い当たるというか、それしか考えられないと言う、
それなりの確信もある。

あまり周りに見られたくない、
真っ赤に染まってしまった顔を少しだけ上げ、
ある場所へと視線を向ける。

その先にいたのは、浦川さん。もとい、今回の犯人。
決めつけは良くないが、でも、それしか考えられない。

その証拠に、福が視線をぶつけた途端に、
目をキョロキョロと泳がせた挙句、
プイッと、明後日の方向を向いてしまった。

はぁ。なんてことしてくれたんだ。
別に恨んだりはしないけど、やっぱり、恥ずかしい。

でも、あの浦川が、…か。
どういう言葉で、誰にあんなことを伝えたのか、
少しだけ、気になったりもした。

「なぁなぁ福、ソーセージやってよ!」
「はぁ!?」

少しもしない内に、無理難題が飛んでくる。

「いーねいーね!!やってやって!!」
「無理に決まってるだろっ!!」
「いや出さなくていいからさ。
 エアーで、なっ。いいじゃんいいじゃん。」
「なんでだよっ…!」
「なぁ、女子を見たいよなっ!?」
「もーーーーう!!!」
「やだぁーーーー!!!!」
「もうっ!!!」

しかし、否定する者はいない。

「ほれっ、早く早くっ!!」
「…っ!」
「ソーセージ!ソーセージ!!」
「ソーセージ!ソーセージ!!」
「ソーセージ!ソーセージ!!」

いつの間にか、男子全員でのソーセージコール。

もーう、やだぁ、の二点張りの女子。
とか言いつつ、福の決断に、みんな興味津々の様子。

空気が読める福、周りの期待を緊々と感じる。
なんでこんなことに…、でも、この状況。
……っ!!!

―ギギギッ…!!!

その場で勢いよく立ち上がる福。

「えー!!逃げんのかよー!?」

ちげーよ。腰に手を当てて…、

「ちんちんぶらぶらソーセージっ!!」

少し速めの言い回しと、少し速めの腰の回転。
でもそれは紛れもなく、
“ちんちんぶらぶらソーセージ”だった。

「あっはははははは!!!」
「さっすがーーーーー!!!!」
「福サイコーーーーーー!!!!!」
「いやーーーーだーーーー!!!」
「もーーーーう!!!」

最高潮に盛り上がる教室。
校内放送が、完全にかき消されている。

予想通りのみんなの反応に、羞恥度はもうマックス。
紅潮しきった顔を伏せながら、
そそくさと教室を出ていく。

「何処行くんだー?」
「トイレだよっ!!」
「あっ。俺も行くっ!!」
「俺も俺も。」
「じゃあ俺もっ!!!」

ぞろぞろと、福についていく男子。
あの福の、恥ずかし過ぎる勇敢な行動に、
顔を真っ赤にして照れる女子。

「あ~、あっついあっつい。」
「もうやだぁ~…。」

なんだかんだ、
福の女子人気が急上昇した事件だった。

この記事へのコメント
  1. みんかの反応が面白い

    そして恥ずかしいことがすぐにひろまりやすい小学生

    いいですねo(^-^)o

    • コメントありがとうございます!
      恥ずかしい噂がクラス中に広まって恥ずかしい系男子ですね。
      姉・妹と一緒にお風呂に入ってるってなかなかの萌えステータスだと思います。

  2. コメントありがとうございます!
    恥ずかしい噂がクラス中に広まって恥ずかしい系男子ですね。
    姉・妹と一緒にお風呂に入ってるってなかなかの萌えステータスだと思います。

    • あけましておめでとうございます。
      今年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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