よくある川遊び風景
「せっかくだから泳ごーぜっ!!」
学校帰りに、大幅に寄り道をして、
人気の少ない川べりまでやってきた6班のメンバー。
ダイスケ、シュンヤ、ハルカ、リサコ。
「えー、服濡れちゃうよ。」
「いや、水着あんじゃん。」
「でも濡れてるし、使ったあとだし。」
「入っちゃえばそんなん関係ないって!」
「えー。」
今日の3時間目はプールの授業だった。
故に今、みんな水着(使用済み)を持っている。
「どうする?ハル。」
「ん~、私はいい…、かなぁ…?」
「だよね~。」
「なんだよ~、ノリ悪ぃなぁ。」
つまんなそうな顔をするダイスケ。
「まぁいいや。
じゃ、シュンヤ、2人で泳ぐか!」
「…ぇ。」
「あぁ!?なんだよシュンヤまでぇ!!
小5男子に、1人寂しく川遊びしろって
言うのかよぉ!!」
シュンヤも首を絞めるように、じゃれるダイスケ。
「や~め~ろっ!!」
「や~め~ないっ!!!」
「わ~っかったわかった!!泳ぐから。」
「さっすがシュンヤ!男前!!」
「なんだよそれ。」
至極嬉しそうなダイスケに、やれやれとシュンヤ。
そんな2人に笑顔になるハルカとリサコ。
川べりに腰掛ける女子2人の前で
そそくさと着替え始める男子2人。
車の柄が描かれたスカートタオルを巻き、上を脱ぎ、
2人の視線などお構いなしに、パンツごとズボンを下ろす。
その姿を横目に、シュンヤもゆっくりと上を脱ぎ始める。
スカートタオルの柄は、バスケットボールだ。
そんな2人をただただ無言で、
たまにお互い顔を見せ合ってハニカミながら、見つめる2人。
ハルカは男の子の裸に、あまり慣れていないらしく、
少しだけ頬をピンク色に染めている。
「えっと~、海パン海パン……」
プールバッグを漁るダイスケ。
スカートタオルの継ぎ目から、ダイスケのお尻が見え隠れ。
それを捉えたハルカが、人知れず目を逸らす。
「あったあった。」
クチャクチャに黒ずんだ水着を取り出し、
前後を確認するついでに、パンパンと均す。
「うげぇ、これ履くのかぁ?
ちょっと気持ち悪ぃなぁ。」
「だから言ったじゃーん。」
ダイスケの愚痴に、すかさず駄目出しをするリサコ。
「うーん。」
水着片手に頬をぽりぽり、つかの間の熟考。
5秒としない内に、ピコーン。
「いらね。」
ぽいっと水着を投げ捨てるダイスケ。
「え?」
ユニゾンする他3人。
「た~のし~、な~かま~が、
すぽぽぽーーーーーーん!!!!」
聞き覚えのあるメロディと、多少のパロディに乗せて
躊躇いもなく、一気にスカートタオルを下へストーンと落とす。
-びょこんっ。
大事な部分を露にした、生まれたてのダイスケがお出ましする。
小5にしては、なかなか立派な代物だ。
「やーーーーーーーだーーーーーーー!!!」
綺麗にハモり、お互いに向き合い顔を伏せ、
手を取り合い、見ちゃったのポーズをする2人。
「あー!おれのちんこ見たー!!
エッローーー!!」
元気よく揺らしながら、2人を指差すダイスケ。
「ダイスケ君が見せたんじゃんっ!!」
「そ、そーだよっ!!」
「あ!また見たっ!!エンロー!!!」
「もうっ!!」
嬉しそうに、恥ずかしい姿のまま、2人をからかう。
実はダイスケ、小学校2年生くらいまで、
よくふざけて、女子に自分のを見せて遊んだりしていた。
ハルカとリサコも、実際何度か見たことがある。
つまり、あまり珍しい光景ではない。
お久しぶり、といったところか。
実際ハルカの方は、本気で照れている様だが。
「…………。」
その光景を、ただただ呆然と見つめるのは、シュンヤ。
パンツも脱ぎ去ったスカートタオルのみの姿で、
濡れた海水パンツ両手に静止している。
そんなシュンヤに、素っ裸のダイスケが歩み寄る。
「シュンヤも出そうぜ!!」
まさかの発言に、驚愕するシュンヤ、と、観客2人。
しかし、驚いている余裕などない。
すかさずダイスケの魔の手がシュンヤの下半身へ伸び、
唯一の衣類であるタオルを掴む。
ほぼ同時にシュンヤも、タオルの上からそこを押さえ、
間一髪、剥ぎ取られるのを免れる。
「きゃーーーーーーっ!!!」
とりあえずと言わんばかりに、叫ぶ傍観者2人。
顔を伏せているのかと思えば、2人が夢中なのをいいことに
割とガッツリと、目の前の死闘を観戦している。
「いいじゃねーか~。
気持ちいいぞ、フルチン。泳いだらさらに!!」
「うるっせー!!やーめろっ!!
離せっ!!!」
顔を真っ赤にして、ダイスケの力に反発する。
「すぽぽ…」
ぽーん!!!と同時に、思い切りタオルを引く。
必死に抵抗するシュンヤ。
「すぽぽ…」
ぽーーーーん!!!
大事なところの死守には順調に成功するも、
他の箇所のガードがついつい疎かになり、
―パチッ、パチッ…
継ぎ目部分のボタンが、1つ、2つ、外れる。
徐々に露になる、シュンヤのお尻。
それを見逃すはずもなく、しっかりと確認し、1人照れるハルカ。
もはや、時間の問題。
なんて言っているうちに、
「すぽぽぽーーーーーん!!!!!!」
―パチッパチッパチッパチッ…!!!
容赦なく増大する引きの力とともに、
成す術もなく、全滅するボタン。
―ハラリ。
解かれたスカートタオルと共に現れたのは、
ダイスケよりも少しだけ白く感じる、シュンヤのお尻。
太陽の光を受け、とても眩しい。
「きゃーーーーーーーーーー!!!!!」
ダイスケのすっぽんぽん姿時よりも大きな
2人の声。
それもそのはず。
シュンヤはダイスケと違って、シャイで多くを語らないタイプ。
アレを出すなんて、恥ずかしいこと絶対にしないし、
女子は愚か、ダイスケにだって見せたことがない。
つまり、こんな状況滅多にない。
とても、珍しいのだ。
ちなみに、割とイケメン。
「もうここまで出したんだからいいだろ~!!
観念しろっ!!」
「うるっせー!!!離せって!!」
丸出しのまま、嬉しそうに引っ張るダイスケに、
アソコ以外丸出しの姿で、必死に抵抗するシュンヤ。
後の2人は、
顔を隠しながらも、眼球はしっかり前方を捉えている、
何せ、珍しいから。
「ぽーーーん!!」
「んぐっ…!!」
「ぽーーーん!!!」
「やめっ……!!」
「…あ、ユーフォー。」
「…え?」
「ぽーーーーーーーん!!!!!!」
「…っ!!!!」
天高く舞う、シュンヤのスカートタオル。
―バサァッ……
そして、
―ぷるんっ。
「!?」
―サッ。
すぐさま隠すシュンヤ。
…も、
「出た!!!」
見逃すわけもなく、嬉しそうにダイスケが吠える。
「見た!?」
すかさずハルカとリサコに振る。
「…………。」
「…………。」
不自然なくらいに顔を逸らし、黙りこくる。
ハルカの顔はもう真っ赤。
「だってよ!!」
満面の笑みで、シュンヤに返す。
言葉なんて不要、誰がどう見ようとそれは、
2人からの「見ちゃった。」の合図。その伝言だ。
「……………!!!」
みるみる赤くなる、シュンヤの顔。
「もういいじゃねーか!
恥ずかしいと思うから、恥ずかしいんだぜ?」
満面の笑みで、シュンヤをなだめる。
「もう見られちまったんだし、
隠してるほうが恥ずかしいんだぜ?
男らしくないんだぜ?」
なんとも無理矢理なダイスケの説得。
そんなものにシュンヤが聞く耳持つわけ…、
「…ちっくしょーー!!!」
何を思ったか、急に大声で叫ぶ、と同時に、
隠していた両手を、おもむろに両腰へと添え直す。
―ぷるんっ。
再び現れる、シュンヤの大事な宝物。
意外にも、ダイスケのより一回りほど小ぶりに見える。
ハルカとリサコに、見てみろ!とでも言うかのように、
ドーンとそこだけ突き出すような姿勢になり、
そのまま静止する。
「キャーーーーーーー!!!!!!!!」
今日1番の悲鳴?が2人から発せられる。
いや、正確にはリサコから、の方が正しい。
ハルカはと言うと、シュンヤのまさかの行動に、
密かに想いを寄せる人の恥ずかしすぎる姿に、
ただただ唖然としているようで、
目を逸らすどこか、凝視しているように見える。
瞬きすら忘れているようだから、
それを頭の中に焼き付ける作業に、入ってしまっているのだろう。
「あっははははは!!!!」
対照的に、大喜びで騒ぐダイスケ。
「シュンヤがちんこ出した~!!
あっははははは!!!!!」
初めて見るシュンヤのそれと、予想外の行動に、
ただただ嬉しくなるダイスケ。
「おれら、見られちゃったな!!
シュンヤもこういうこと、意外と自分からやるんだな!!」
恥ずかしがる様子もなく、ただ嬉々とした表情で
同じく素っ裸のシュンヤに、肩を組むダイスケ。
一方のシュンヤは、自分の行為とは裏腹に、
ただただ、ただただ、恥ずかしそうだ。
「…だ、ダイスケのせいだろっ!!」
限界が来たのか、照れ隠しか、
川に向かって、ダイスケの腕を振り払い、
そのままダイスケを、川中へと押し倒す。
―バチャーーーーーーンッ!!!
ダイナミックに入水するダイスケ。
水しぶきが、ハルカたちの方まで飛ぶ。
「お、やったなぁ!!!」
嫌がるわけもなく、待ってましたと言わんばかりに、
グイッと、シュンヤを引き入れる。
「んくっ……!!!」
―バチャーーーーーーンッ!!!
シュンヤも体から川に放り込まれる。
「こんのやろっ!!!」
「お、やるかっ!?」
そのまま、廻しのない相撲を取り始める2人。
ぷるぷると小気味良く揺れる、2人のそれ。
ハルカとリサコの位置からも、充分確認ができる。
「もう、やだぁ。」
嬉しそうに、そう言うリサコ。
視線はしっかり、目の前の2本に向いている。
「うん、もうやだ。」
口元を隠し、大照れのハルカ。
でも視線は、シュンヤのそれをバッチリ捉えている。
むしろ、それしか見ていないようだ。
「やだやだよ。」
「うん、やだ。」
「ほんとやだ。」
「やだやだ。」
でも、視線は前。
「なぁなぁ見て見て!!!」
ダイスケの言葉に、反応したような演技で反応する2人。
「ゾウの兄弟!ぱお~ん!!!」
肩を組んだ2人の、アソコ突き出し2ショット。
相変わらず、喜ぶダイスケに恥ずかしがるシュンヤ。
―ぷるんっ。
―びょこんっ。
「ヤァーーーーーダァーーーー!!!」
山に向かって叫ぶように、そう言うリサコ。
それしか言えないのか。
「ほんとやだねぇ。」
「うん、やだ、やだ…。」
「…ねぇねぇ。」
「…やだやだ。」
「ねぇ。」
「…や、…、ん、ん?」
「さっきの兄弟さぁ。」
「…う、うん。」
「ダイスケ君のが、お兄ちゃん…かな?」
「…な、や、やだもう!」
「でもさ。
シュンヤ君の方が、ちっちゃかったよね?」
「…やだ!」
「意外だなぁ、ダイスケ君のよりは、
おっきいと思ってた。ハルも?」
「…知らないもん。」
「…、でも、
可愛かったよね。」
「……、
…、……うん。」
「シュンヤ~!!!
ションベンどっちが遠くまで飛ぶか、
勝負しようぜ~!!!」
「あぁ!やってやるよっ!!!」
「あははは!!!シュンヤちょっと
ちんこちっちゃくなってる!!あははは!!!」
「うるっせー!!!!」
「やだぁもう。」
「あーやだやだ…。」
-おしまい-