小説

おすそ分け 2

……… 悟くんの牛乳を飲むのが止まり 牛乳を持つ左手が下りました。 悟くんはようやく私に気づき ビックリしたような呆然としたような顔になり 3秒ほど見つめ合ってしまいました。 腰に手を当てたまま…。 口の周りが 牛乳で白くなってましたね。 私はもうドキドキ。 見つめられたのなんて 初めてだったからってのもあるけど それよりもおちんちん丸出しで 好きな男の子が目の前に立っているのが もう信じられないというか わけが分からなくて…。 その3秒間で悟くんの顔は 見る見るうちに赤くなっていき 胸の辺りまで赤くなってきたあたりで ようやくおちんちんを隠しました。 …牛乳パックでw 悟くんは何がなんだかわかんないみたいな感じで 「…なんで井上が来てるの?」 とお母さんに聞いてました。 「梨をおすそ分けに来てくれたのよ。  それでどうせなら夕食食べていきなってことで。  上がってもらったのよ。」 悟くんは身動きと取れないと言った感じで どうしていいか分からない感じでした。 「ちょっといつまでおちんちんにつけてるの。  汚いでしょ!」 そう言って 悟くんのお母さんが牛乳を取り上げようとすると 悟くんはそのままの状態で無言で 出てきたドアのほうに走っていきました。 悟くんのお母さんは 「全く…」とため息をついて 「ごめんね、汚いもの見せちゃって。」 「あ、いや!そんな…」 なんて答えていいか分からずにたじろぐ私。 「あの子いつもあーなのよ、お風呂出てくると  10分くらいあの状態で…  夕食も大体いつもすっぽんぽんで食べてるのよ?  信じられないわよねぇ?」 そう言って困ったといった顔をしました。 「そうなんですか…」と とりあえず相槌を打ったけど 頭の中はさっきの映像で一杯。 悟くんのおちんちんが 頭の中でまだプルプル振るえてましたw そんなこんなでカレーが出来たらしく 私の分と悟くんのお母さんの分 そして悟くんが座るであろう私の隣の席に 悟くんのカレーが置かれました。 と同時に 牛乳パックを持った悟くんが服を着て戻ってきて ちょっと躊躇いながらも 私の隣の席に座りました。 Tシャツに黒のハーフパンツ姿で この期に及んで やっぱり格好良いなって思っちゃいましたね。 やっぱりまだ顔は真っ赤でした。 「はい、じゃあいただきます。」 悟くんのお母さんがそう言ったので 私もそう言って一礼しました。 悟くんは無言でしたね。 「飲み物出さなきゃね。  …って言っても牛乳しかなかったんだ。  悟が口をつけた牛乳なんて  優子ちゃんイヤよねぇ…。」 そう聞いてくる悟くんのお母さん。 「あ、いや。そんなことないです!  全然、あの、いただきます。」 この空気で断れるわけないよね。 と言うか悟くんが口をつけた牛乳を 飲むのが嫌なわけないし。 むしろ『口をつけた牛乳』って言うより 『おちんちんつけた牛乳』って言うほうが わたしとしては重大と言うか ドキドキでしたねw 悟くんもそのことを 気にしてたはずだと思う。 重い沈黙… 私も悟くんも何を喋っていいか分からず。 黙々と食べてました。 みかねた悟くんのお母さんが 「全く、おちんちん見られたくらいで  へこんでるんじゃないの!」 その言葉に 「…見られたくらいって。  オレ母さん以外の女に  ちんちん見られたことなかったのに…。」 「見られたって良いじゃない!減るもんじゃないし。  まだツルツルのおちんちんなんだから。  恥ずかしがるんじゃないの!」 …いや、お母さん。 そういう問題じゃないと思いますけど…。 誰だっておちんちん見られたら 恥ずかしいですよね。 私が好きな男の子に裸見られたらなんて 想像しただけで顔から火が出そうだもん。 「…つーか井上来てるなら  来てるって教えてくれれば良いじゃん!」 「だってアンタがお風呂入ってるときに  優子ちゃん来たんだもの。  それにお風呂上がったらすぐ服来なさいって  いつも言ってるじゃない。  いつまでもおちんちんブラブラさせてる  アンタがいけないの。」 「…井上の前で、変なこと言うなよ…。」 なんかケンカみたいになっちゃって 凄い申し訳なくなっちゃったんでとりあえず 「すみませんなんか…」 と謝りました。 「優子ちゃんは全然悪くないのよ。」 悟くんのお母さんが言うと 悟くんもちょっと間を置いて 「…うん。」と言ってくれました。 「ま、これに懲りて  お風呂上がったらちゃんと服着ることね。  おちんちん出したまま夕食食べるなんて  お行儀悪過ぎよ。 「お、おい、ちょっと!それは言うなよ!」 顔真っ赤で悟くんがお母さんに言いました。 ふふ、と私はおかしくて笑っちゃいましたw つられて悟くんのお母さんも。 悟くんは相変わらず恥ずかしそうでしたね。 「せっかく来てもらったのに  汚い話でごめんねー。  …あ、せっかくだから梨みんなで食べましょうか。  悟、アンタ梨好きでしょ。  ちゃんとの優子ちゃんにお礼言っときなさいよ。」 そう言って悟くんのお母さんは キッチンに梨を切りに 行ってしまいました。 残された私たち二人。 重い沈黙。 どうしようかと思ってたら 先に悟くんが口を開きました。 「…誰にも言わないでくれよな。」 「…え?」 何かと思ったら 「…いや、いつも素っ裸で飯食ってたってこと。」 キョトンとする私。 「…あ、あ、うん、そんなの言わないよ。  言うわけないじゃん!」 「…サンキュ。」 …なんか感謝されちゃった。 こっちは悟くんの 全てを見てしまったのに。 そのあとちょっとしてからまた悟くんが口を開いて 「…ごめんな。」 と言いました。 何かな…とドキドキしていると 「…いやその、変なもん見せちまって…。」 私のほうは向かずにそのままの状態で 悟くんがそう言いました。 意外な言葉に私は驚いていたんですけど 何か返事しなくちゃと思って 何を思ったのか私は 「そんな、全然!  あの…その…、か、可愛かった………よ。」 言って自分でも恥ずかしくなって もの凄い冷や汗かいちゃいました。 きっと顔真っ赤だったんだろうな。 つまりはバッチリ見ちゃったよって 言ってるようなモンですもんね。 私がそういうと悟くんは またそのままの状態で 「…どーせ小さいですよーだ。」 と小さい声で言いました。 顔を赤くしてそう言う悟くんが なんだか凄い可愛くて その横顔を見ながら やっぱり私この人のこと好きなんだなーって 改めて思いましたね。 そんな会話をしていると 悟くんのお母さんが切った梨を持って戻ってきました。 「さ、みんなで食べましょっか。」 そう言って3人で梨を食べました。 悟くんはまだ若干顔が赤かったけど いつもみたいに話をしてくれて 「うめーーーー!」と いつもの明るさで梨をほおばってました。 「ちょっと悟!もっとゆっくり食べなさい!」 「…はいはい。」 そんな2人のやりとりがなんだかおかしくて おすそ分けに来て良かったな。 と思いましたね。 帰るとき悟くんは 家の近くまで、ほんの少しの距離だけど 送ってくれました。 「あー明日も学校かー。」 「そーだねー。」 たわいもない話だったけど 好きな人とだと凄い嬉しいんですよね。 家の前まで来て 「んじゃ、また明日な!」 「うん。」 と言って別れました。 その言葉がなんだか嬉しくて 一人で盛り上がってましたね。 後ろを向いて家に戻っていく悟くんを見ながら ほんのちょっと前起こった出来事を 思い出していました。 すっぽんぽんで出てきた悟くんに 真っ白なお尻、ちょっと垂れたお稲荷さんに ポチッと付いたホントにちっちゃいおちんちん。 さらには悟くんの習慣など 誰も知らない悟くんをたくさん知ってしまったようで 嬉しいと言うか恥ずかしいと言うか いろんな感情で一杯でした。 悟くんの後姿を見ながら このことは誰にも言わないでおこうと決めて 家に戻りました。
-おしまい-
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