小説

正義のヒーロー 6

勢い良くベッドに飛び乗ってきた 石橋くん…いや全裸マン。 最初に目に映ったのは ベッドの振動に合わせる様に 上下に元気良く揺れる 全裸マンのおちんちんでした。 「きゃ!」 わたしは当たり前だけど初めて見る光景に どうしていいのか分からず ただ小さく声を漏らしていました。 あまりにも元気良く揺れる 自分のおちんちんに 全裸マンもちょっとビックリしたのか 「ちょ…」と声を漏らしていたけど 手で隠そうとしたりはせず 両手はわたしのベッドのシーツを 握っていました。 おちんちんを隠すことは 全裸マンのプライドが 許さなかったみたいですw 隠す=『恥ずかしさ』に負ける、だもんね。 「『恥ずかしさ』め!  退治してやる!」 そう言うと全裸マンは全裸のまま わたしにまたがるような 体制になりました。 周りの子達はこの光景を いったいどんな目で見ていたんだろう…。 異様以外の何物でもないよね。 周りの子にはシーツのおかげで 一部始終は見えてないはずだけど 本当に何も履いてないんだよ…ずっと。 わたしは声を上げようかと思ったけど 全裸マンが石橋くんだってことを知っているので そんなこと出来るはずもなく ただ心臓をドキドキさせながら 全裸マンに体を預けていました。 「とう!やぁ!えいさ!」 変な奇声を上げて ベッドを大きく揺らしながら 『恥ずかしさ』なる悪の化身と 戦っている様子の全裸マン。 わたしはただそれが終わるのを 仰向けのまま待っていました。 わたしの目線はやっぱり 全裸マンのおちんちんに いってしまっていました。 ベッドを揺らす度に 大きく揺れるおちんちんとタマタマの袋。 全裸マンの体の中で その一部分だけが大きく動くので 嫌でもそれを見ることになってしまいました。 タマタマの袋って こんなに暴れるように動くものなんだね…。 20秒ほどすると全裸マンの動きが止まり 「ふぅ…」とため息をつきました。 体中に汗をかいていましたね。 わたしのベッドも汗で少し 湿っていました。 全裸マンは体制を上げると 「藍ちゃんの『恥ずかしさ』は  このわたしが責任をもって退治した。  これでもう手術を受けられるな?」 そう言ってヘルメット越しに 起き上がったわたしを見ながら 聞いてきました。 ヘルメットを通してうっすら見えるその目は 間違いなく石橋くんのものであり その目は真剣そのものでした。 「…うん。分かった。  手術受けるよ。」 わたしはもちろんそう答えるしかなく 返事をしました。 こんなことしてくれたのに 手術しないとかひどすぎるしね。 しかもちょっとなんか 勇気が沸いてきたというか 何をそんなに恥ずかしがってたんだろうって 気にもなってましたね。 「よし。いい子だ。  正義の味方はいい子の見方だからな!」 そう言って銀河マンのキメ台詞を言いました。 ちょっと視線をお腹のほうにずらすと そこには盲腸の跡と思われる小さな傷が あるのが分かりました。 今までずっとおちんちんばっかり見てたから 全然気づかなかった…。 やっぱり石橋くんなんだよね。 その質問の答えが確信に変わりました。 しばし沈黙。 相変わらずおちんちん丸出しの 石橋くん。 この後どうするんだろう…と お互い見つめ合っていると かつかつ…と後ろから 足音が聞こえてくるのが分かりました。 「もうこんなところで何してるの!」 そう言うと看護婦さんは 全裸マンの背後に立ち おもむろにヘルメットを取っちゃいました。 中から 汗だくで真っ赤な顔をした石橋くんが 驚いたような顔をして わたしを見つめてきました。
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