小説

となりのサンタ 1

今日は待ちに待ったクリスマス! わたしたちの地区では毎年クリスマスに 小学5年生か6年生の男の子と女の子が1人選ばれて それぞれサンタとトナカイに扮して その地区の家を朝から回って 1軒1軒プレゼントを配るっていう行事をしてるんだ。 …まぁプレゼントって言ってもただのお菓子だけどね。 いつもはクリスマスになると何故か貰えるお菓子を ラッキー♪と思いながらもらってただけだったけど 今年は特別。 まさかとは思っていたけど小学5年生に上がった今年 まさにわたしがトナカイ役に抜擢された。 最初はうわもう最悪!と思ったけ 、投げ出すわけにはいかず。 選ばれたらやる!これが何年間も続けられてきた この地区でのこの行事の暗黙のルールだった。 つまりは選んだ人を恨むしかないってことで。 まぁこの地区に住む何百人って言う 5年と6年の女の子の中で わたしが見事何故か選ばれたわけだし これも何かの縁、運命だと思って 役を全うしようと決めたわけさ。 正直トナカイの衣装可愛くて そんなに嫌じゃないのも事実なんだけどね。 更に驚いたのがサンタ役に選ばれたのが 隣に住む幼馴染のショータだったってこと。 もちろん男の子も何百人といるわけだけど その中でショータがサンタに選ばれたって言うのは さすがに驚いたね~。 わたしとショータが同時に選ばれる確立って どれくらいだろう?って 決まった日にショータに聞いたけど 「知らねーよ、2分の1くらいじゃねーの?  …にしてもメンドくせーなぁ。」 とため息をつきながら漏らしてた。 その台詞で分かると思うけど、ショータって メンドくさがりで、頭も少し悪いのねw それで当日の今日。 わたしは朝早くから起きて 支給されたトナカイの着ぐるみを着る。 やたら本格的な衣装で着るのに1時間くらい掛かるのね。 でもモフモフしてて凄い暖かくて気持ち良い♪ 無事着終わるとショータの家に向かった。 ショータの家をスタート地点ってことにしてたからね。 ホントならショータの家で着替えるべきなんだろうけど 家隣りだしね。 ショータの家に行くまでに 誰かにトナカイ姿を見られるのはタブーだったけど そんな出待ちが出るほどの 大きなイベントってわけでもないし 見られたとしても2,3人でしょってのが わたしと親の見解だった。 まぁ結局誰にも会わなかったしね。 トナカイがサンタなしで、1人で町を歩くって言う 子供の夢を壊すような悲しい光景は 誰の目にも映らなかったってことで。 ショータの家に着くと ショータのお母さんが出迎えてくれた。 「あら可愛いトナカイさんねぇ~!」 「ありがとうございます~。」 年甲斐もなく照れて喜ぶわたし。 まぁ、まだ小5だしいいよね。 「早いのね~やる気満々って感じ?w」 「いや、そんなことないですよ~。」 何せまだ、7時。 イベント開始時刻が8時だから、そりゃ早いですよね。 早起きし過ぎてやることなくなっちゃったから ショータの家に来ちゃったって、ただそれだけ。 「ショータ今朝ごはん食べ終わって  2階の自分の部屋に戻ってったとこ。  まだ時間あるし  部屋でゆっくりショータと話でもしてたら?  始まったらお昼まで休みなしだからねw」 「あ、はーい。じゃあそうします~。」 そう言ってショータの部屋に向かう。 良く考えたら来るの久しぶりなんだよね。 3年振りくらいかなぁ。全然遊ばなくなっちゃったしね。 コンコン。 「失礼しまーす。」 返事が来る前にドアを開ける。だって絶対いるしね。 …と思ったら誰もいないショータの部屋。 あれ?おかしいな… と思ったら部屋の廊下を挟んで向かい側の方から 水を流す音が聞こえてきた。 あ、トイレ行ってたのね。 すぐ戻ってくる…けどせっかくだから脅かしてやろう。 隠れる場所を探すわたし。 ドアの横?入ってきたらいきなりバァ!ってやる? んー…ちょっとオーソドックスすぎかな。 ベッドに下に隠れる? んー…逆に全く気づかれずにこっちが鬱になっちゃいそうw ここは間を取ってショータの勉強机の下にしよう。 丁度いい感じのスペースだし 暗いからうずくまってれば案外バレないかも。 まぁバレたらバレたで全然問題ないしね。 ただ久々にショータの驚いた顔が見たいだけ。 小さい頃良くお互い隠れて脅かし合いしてたんだよね。 わたしが隠れるとほぼ同時に部屋のドアが開いた。 ショータが入ってきた。 机の下でうずくまりながら視線だけを上げてみる。 まだパジャマのままだ。 …まぁ1時間もまだあるしね。 わたしが早く着替えて来すぎたんだよね。 入ってくると 寝ぼけ眼のまま部屋の真ん中で立ち尽くすショータ。 まだ気づかないのかな~ 笑いを堪えながら見つめるわたし。 そして少しするとショータはくるりとドアに向きを戻し そちらに向かっていき、鍵を閉めた。 少しドキッとしたけど 自分の部屋なら鍵くらいかけるよね。 そろそろ気づいてくれないかな~ いっそ自分から飛び出して驚かせようかな~と思っていると ショータがパジャマを脱ぎ始めた。 一気に上を脱ぐと上半身裸のショータが現れた。 さすがに心臓が跳ね上がるわたし。 これはちょっとヤバイよね…はやいとこここから出て さっさと驚かせちゃおう…としたときにはもう ショータは下のパジャマにも手をかけていて わたしが見つめる間もなくそれを脱ぎ去って パンツ1枚姿になってしまった。 急に心臓がドキドキドキドキと心拍数を上げて 気づいたらわたしは動けなくなっていた。 だって今出て行ったら…いろいろ問題あるでしょ。 かと行って着替え終わってから出て行っても つまりは一部始終全部見ていたことになっちゃうし… この瞬間わたしの中の驚かせ作戦は幕を閉じ とにかくショータに気づかれないように息を殺すだけの ドキドキかくれんぼになってしまった。どうしよう…。 そんなわたしの気も知らずに パンツ1枚で部屋をウロウロするショータ。 早く着替えちゃってよ… 息を殺しながらもしっかり観察するわたし。 なんだかんだでやっぱり…気になるし。 もちろん!幼馴染として…ね。 ショータってサッカーやってるせいもあって 小5にしては結構体に筋肉ついてるんだな~って今思った。 最近全然ショータの裸なんて見てなかったから いざ間近で見るとドキドキしてしまった。 前はこんなことなかったのにな…。なんでだろう。 …いやきっとこのドキドキは この変なシチュエーションのせいだよ。 うん、きっとそう。 …と自分のドキドキを必死で正当化した。 当のショータはようやく洋服タンスの前で動きを止めて それを開くと中から着替えを取り出して ベッドの上に投げた。 もちろんその着替えって言うのはサンタの衣装ね。 上着、インナー、ズボン、帽子、手袋、靴下まで。 赤と白に統一された衣装がベッドの上に並んだ。 こ、ここで着替えるのね。 ベッドは勉強机の目の前にある。 いつわたしがここに隠れていることがバレれも おかしくない状況。 ドキドキしながら ショータがベッドに近づいてくるのを見つめる。 …いっそもう見つけてくれ! 心の中でそう思ったけど、結局気づかれず…。 どうしようどうしようと思いながらも 本当は見てみたい気持ちがあったのも嘘じゃない…はず。 だって現にずっとわたし見つめてるし。 男の子の着替えって 昔ショータがすっぽんぽんになって着替えてるのなら 何回も見たことあるけど、もう何年も前の話だし 5年生の男の子の生着替えなんて、もちろん見たことない。 だから興味があるのは恥ずかしながらホントなんだけど そんなの許されることじゃないし。 きっと全てが終わるまで目を閉じているべきなんだろうけど わたしの好奇心はすぐにショータに照準を合わせる。 …だから、もう見ちゃおう。 たかが着替えだし…ね。 ショータがベッドに置かれた衣装を眺めている。 相変わらずの眠気眼。寝ぼけてるから気づかないのかも…。 そこでわたしはふと気づいた。 手にも何か持ってる…赤い…布? でも身につけるものって言ったら 全部ベッドの上に並んでるはずだし…あれ何…? 口と鼻を押さえて息が漏れる音をミュートさせながら わたしをジッと赤い何かに視線を向ける。 ようやく気づいた。 あれ…パンツだ。 赤い毛糸のパンツ。 そんな誰も見ないようなところまで衣装用意されてるんだ。 わたしにはトナカイ用のパンツなんて 用意されてなかったけどな。サンタは特別なのかな…。 そんなことより…!ってことは…! と思った瞬間ショータが白いパンツに手をかけた。 嘘!?咄嗟に目を伏せる。 流石に見れないよ… いくら幼馴染だからってもう5年生だし… おちんちんなんて見れない。 今まで好き放題見てきたくせにね。 でもおちんちんとなると 流石にわたしの理性がそれを抑制した。 目を伏せてショータが赤いパンツを履き終わるのを待つ。 心臓の鼓動が大きすぎて パンツを脱ぐ音もパンツを履く音も聞こえない。 20秒くらいしたかな… 流石にもう履き終わっただろうと思って目を上げる。 と ちょろろん。 真っ先に視界に入ってきたのは、ズバリおちんちんだった。
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