小説

となりのサンタ 3

わたしの方を向き、呆然とした顔を向けるショータ。 汗だくの顔をトナカイ衣装の袖で拭い ショータの顔を見る。 視線を下に下げ、おちんちんを見下ろし やっぱり恥ずかしくなって、またショータの顔を見る。 5秒間くらい沈黙があったのかな。 ショータはその間隠そうともせず 丸出しのまま突っ立っていた。 ほんとまさに、呆然て感じ。 「あ…え、えっと…ね。」 わたしは胸に手を置き ドキドキを確かめながらそう切り出した。 その言葉にようやくショータは事の重大性に気づき サンタの手袋で、おちんちんを隠した。 見る見るうちに、顔が赤く紅潮していった。 「…い、いつからいたんだよ…。」 辛うじてわたしの顔は見つめながら ショータはそう聞いてきた。 「…えっと……、その…最初っから。」 恥ずかしながらわたしは本当のことを告げた。 目を丸くして驚くショータ。 顔がまっかっかで混乱状態と言った感じ。 「…な、なんで黙って見てたんだよ!  なんで隠れてたんだよ!この変態!痴女!…変態!」 おちんちんを隠したまま必死に訴えてくるショータ。 2回変態って言うあたり、やっぱり馬鹿だなーって思った。 きっと言葉が思いつかなかったのね。 …なーんて、この期に及んで強気なわたしw どうしようかさっきは悩んでたけどさ。 ショータのおちんちんと今の態度見たら 昔とやっぱり変わったないじゃんとか 思っちゃったんだよね。 …そりゃあ形が変わったり、あんなとこ…見ちゃったから 平常心保ててるかどうかって言われたら 答えはノーだけど ここで弱気になったら わたしの幼馴染としてのプライドが崩れちゃう。 小さい頃からショータに対してはいつもわたしの方が 権力的には上に位置してたんだし。 理不尽極まりないけど、ここは強気に出ようと決めた。 「…わ、わたしはただショータを驚かせようとして  ココで隠れてただけ!  それなのにアンタがいきなり着替え始めるから  出て行くタイミングを見失っちゃったんじゃない!」 「…な、んなんだよそれ!  ぎゃ、逆切れかよ!?」 全く持ってそのとおりw THE 理不尽。 「と、とにかくわたしは悪くないんだからね。  勝手に着替え始めたあんたが悪いんだからね!」 そう言い放つわたし、ホント最低かもw 「…なんだよ~それ~…。」 なんか小さい頃思い出しちゃったな。 昔はいつも遊んでるとき、こうやって困ったことがあると わたしがわがまま言ってショータを折らせてた。 結局ショータは優しいから、全部許してくれるんだよね。 半分涙目になりながら 必死でおちんちんを隠すショータ。 恥ずかしながらも心の中を読み取られまいと ポーカーフェイスを突き通しながら ショータと対峙するわたし。 「と、とりあえず、全部着ちゃいなよ。  その…格好…。」 わたしはそう言って改めてショータの格好を見ると そのあまりにも奇抜なファッションに 場違いにも吹き出してしまった。 わたしのその姿に更に顔を赤らめるショータ。 ほとんどすっぽんぽんなのに、汗が噴出してた。 「…う、うるせー!笑うな!」 「…だ、だってその格好…な、なんなのよそれー。」 「う、うるさい!これはな。  お、男のマロンだよ!マロン!」 「何よそれ。しかもそれを言うならロマンでしょ?w」 更に顔を赤らめるショータ。ホント馬鹿なんだからw でもなんだか凄い、可愛かった。 「さ、最近のサンタはみんな  こういうファッションスタイルなんだよ!」 「何それ!w  手袋で大事なとこ隠してるサンタさんなんて  わたし見たことないよw」 ショータの言うこと言うこと全てに いちゃもんをつけるわたし。 完全にわたしのペースって感じだなw 「…うるせーなぁ!んじゃあこれでいーだろ!」 そう言い放つと ショータは何を思ったのかやけになったのか 隠していた手を離し、両手を腰に当てる姿勢になった。 流石にびっくりするわたし。 ちょろんって、再びショータのおちんちんが飛び出した。 また見ちゃった…今度は、合法的に。 「やーだぁ!もう!」 わたしは笑いながら叫ぶ。 手で顔を隠す振りをしながら お決まりのようにしっかり見つめる。 「…散々そっから見てたくせに。」 照れながらもわたしに見せつけてくるショータ。 きっとショータもドキドキしてるんだろうな。 おちんちんの小刻みに揺れる動きが、それを教えてくれた。 「こんなサンタやだよー。」 「な、なんでだよ、サービス精神旺盛で良いじゃんか。」 もう後戻りは出来ないといった感じで 自分のキャラを突き通すショータ。 …よし、ここは少しいじめてやろう。 「やだよ、そんな…ちっちゃいサンタさん。」 わたしは完全に立場がわたしの方が上にあると解釈して ショータのおちんちんを見ながらそう言ってやった。 「な、なにがだよ…。」 わたしはその質問には答えずに ただショータのそれをジッと見つめた。 …さすがにちょっと恥ずかしくなっちゃったけど。 そのわたしの熱い視線にようやく気づいたのか ショータは胸の辺りまでまっかっかにして でも隠そうとはせずに 「…うるせー。」 と俯きながら呟いた。 ごめんね…あまりにも理不尽なのは分かってるけど やっぱりショータ、可愛い。
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