小説

芸術の秋 8

目の前の出来事に ただただ驚愕するわたし。 「え、ちょ…これはその…  …ちょ、ちょっとタンマ!」 おちんちんがちょうど 竹内くんの右手と同じくらいの 角度になったあたりで 竹内くんはそう言うと ずっとしてくれていたポーズを崩し すかさず後ろを向いて 何やらしていました。 「…う、うん!分かった!」 流石に直視することが出来ず うつむくわたし。 今のはなんだったんだろう…。 一瞬の出来事だったけど いきなり見たことないようなものに 変化した…気がした。 それに先っぽから ちょっと違う色の部分が 頭を出してた…ような気がした。 おちんちんって皮に包まれてるものなの…? さっきと違って なんかおちんちんがはち切れそうだった…。 …と言うかちょっと、おっきくなってたよね…。 気のせい…かな? ちょっと動揺しすぎて 本物のぞうさんみたいに見えちゃっただけかな…? …分かんない。 とりあえず今は竹内くんを 待つしかない…よね。 「…よし、い、いいぞ。」 そう言ってわたしが顔を上げると さっきと同じポーズを取った竹内くんが さっきと同じく顔を赤くして 立っていました。 もちろん一糸まとわぬすっぽんぽん姿で おちんちんをわたしに 見せてくれていました。 ついさっき見てしまったものではなく ダビデ像のようなおちんちんに 戻っていました。 …わたしの見間違いかな? そんないきなりあんなことが 起きるわけないモンね。 なんかいろいろ恥ずかしいことだらけで ちょっとおかしくなっちゃったんだね、きっと。 …うん、きっとそうだよ。 …今この状況も 十分凄い状況だけどさ…。 そして今度こそ描こうと 鉛筆を取る…けど 余計描けなくなっちゃった。 どうしてもさっき見たアレが 脳裏に甦っちゃって 今見てるおちんちんを 頭の中で整理できない…。 あれは幻あれは幻… いくら唱えても無理みたい。 駄目だ…きっともう描けない。 少なくとも今日は。 これ以上こんな恥ずかしい姿のまま 竹内くんにいてもらうのは 流石に申し訳なさすぎるから わたしはまだ描き終えていない最後の部分は デパートとかにあるマネキンみたいに 何もついてないってことにして ごまかして完成させました。 「あ…ありがとう。  描き…終わった。」 そう告げるわたし。 「そ、そうか。良かった。」 やっと終わったと言った様子の竹内くん。 顔の赤さと汗の量は もう制御できないみたいでした。 ただその顔を見ながら 本当に竹内くんの裸を描いていたんだな…と 改めて1人でカーーーっとなってしまいました。 「…あの、も、もういいんだ…よな。」 そのままのポーズでそう聞いてくる竹内くん。 はっとするわたし。 視線を下ろすと視界に入るおちんちん。 「あ、も、もちろん!」 咄嗟に視線を下ろすわたし。 もういつでも思い出せるくらい 目に焼き付けちゃったよ…。 「ふう…」とため息を漏らすと 姿勢を戻す竹内くん。 すぐ服着るのかと思ってたら その場で背筋を伸ばしたり 屈伸したりし始めました。 …もちろんすっぽんぽん姿で。 やけになったのか開放的になったのか分からないけど 全く隠そうとしないで 見たきゃ見ろって感じでした。 せめて服着てからそう言うことしてよ… とか思ったけど こんな機会めったにないしと思って 悪いと思いながらも じっくり見せてもらっちゃいました。 きっと竹内くんも わたしの視線に気づいていたと思うけど 顔を真っ赤に染めながらも 無言でそれを続けていました。 …ぷるん、ぷるん、ぷるるるん。 …もうわたし、駄目になりそう…。 その後、一通り体操が終わると 汗が本当に体中から吹き出てたみたいで そのままの状態で机の方へ行き 体中をお風呂上りみたいに タオルで拭き始めました。 見ていいのかな…と思いながらも 結局それも見てしまったわたし。 後ろからだから良く見えないのは当たり前だけど 特におちんちんの部分を 念入りに拭いてるように見えました。 そしてそのまま 脱ぎ捨ててあった パンツとハーフパンツとTシャツを着ると ようやくいつもの竹内くんに戻りました。 …やっと直視できる。 服を着た竹内くんが 元の場所に戻ってきました。
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