小説

リアルおままごと 3

「よし、決まったね!  んじゃあ各自  自分の衣装に着替えて~。」 そう言ってシートに出された 衣装を指差すさつきちゃん。 「衣装って…  わたし何着ればいいんだろう…。」 戸惑うわたし。 「めぐみはお母さん役だからね  このエプロン着ればオッケイよ!」 そう言ってピンクのエプロンを さつきちゃんから渡されました。 なんか可愛いエプロン。 ちょっと嬉しくなっちゃいました。 「めぐみ似合うね。  可愛いお母さんって感じ!」 ちなつちゃんがそう言ってくれました。 「うん、良く似合ってる。」 まさとくんもそう言ってくれて わたしはなんか勝手に 舞い上がってしまいました。 そんなこと言われたの初めてだよー…。 「厚川とちなつは子供役だから  そのままでいいよ。  はかせは一応サラリーマンって言う設定だから  これ着て!」 そう言ってお父さんから貸してもらってきたと思われる 大きなスーツのジャケットを はかせに着せていました。 「…で?  オレは何を着ればいいんだ?」 さっきと同じように最後に残されたまさとくんが そうさつきちゃんに聞きました。 「まさとは赤ちゃん役でしょ?  フフ…  これに決まってるじゃん!」 そう言うと広げられた衣装の中から 白い紙くずみたいのを拾い上げました。 …というかオムツでしたw 「はー!?  なんだよそれー!  やだよ無理だよ履けねーよそんなの!」 必死で抵抗するまさとくん。 あはははは!と笑う厚川くん。 流石にオムツは…ねぇ。 クスクスと笑いながらも ちなつちゃんと顔を合わせて 顔を赤らめるわたしたち。 「大丈夫だよ!  つい最近まで履いてたでしょ?」 「…は、履いてねーよ馬鹿!」 「…でも大丈夫!  ちゃんとLサイズ持ってきたから  履けないってことはないと思う!」 用意周到と言った感じのさつきちゃん。 「はー、マジかよぉー…。」 顔を赤らめて頭を掻くまさとくん。 でも言い出したら止まんない 悪い言い方をすればワガママなさつきちゃんを 知ってしまっているから 反論するにも反論しきれず 結局オムツをさつきちゃんから 半強制的に受け取るまさとくん。 ホントに履いちゃうんだまさとくん…。 なんかその光景を一人で勝手に妄想して ドキドキドキドキしてました。 「じゃあ各自着替えて~。  …ってもうみんな着替え終わってるか。  あとは…まさとだけだね。」 「…ここで着替えんのかよ!?」 ちょっとドキッとするわたし。 きっとちなつちゃんも。 「着替えたかったらいいけど。  流石に恥ずかしいでしょ?  あそこにトイレあるからあちらでどうぞ~。」 相変わらず強気の姿勢を崩さない さつきちゃん。 絶対わたしには真似できないなぁ…。 しぶしぶと言った感じで トイレに向かうまさとくん。 ホント優しいなぁ。 嫌なら断ればいいのに。 …まぁ無理なんだろうけどさ。 5分くらい5人でお喋りをして 待っていると トイレの方から物音が聞こえました。 「お、出てきたみたいよ!」 そう言って目をそちらに向けると 下に赤ちゃん用のオムツを履いた まさとくんが 脱いだ服を肩にかけ 顔を真っ赤にしてこちらに向かってきていました。
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