小説

リアルおままごと 4

「やぁだー!」 顔を赤らめるちなつちゃん。 合わせる様にわたしも 同じように恥ずかしがる。 ウンウンとうなずくさつきちゃん。 「あはははは!だっせー!」 人事のように笑う厚川くん。 自分のことのように 恥ずかしそうに顔を赤らめるはかせ。 「…これでいいのか?」 顔を真っ赤にしてさつきちゃんに確認するまさとくん。 「オッケー!お似合いだよん。」 意地悪にもそう言うさつきちゃん。 でもやっぱり小さそうで パツンパツンと言った感じで 下手したら大事な部分が 見えてしまいそうなくらいで わたしはドキドキドキドキしていました。 「よし!  じゃあ準備は整いました!  早速始めよっか!」 こうして さつきちゃん監修のもと リアルおままごとが始まりました。 「じゃあみんな。  定位置についてね!」 そう言ってみんな指示された場所に 誘導されました。 わたしと子供役2人は普通にブルーシートに 座っているのが 最初の設定みたいでした。 はかせは靴を履いて外で待機。 まだ帰ってきていないという設定みたい。 本当にクレヨンしんちゃんの リアルおままごとそっくり。 あれの設定は5才児だけどさ。 そう考えると凄いよねw 「…で?  オレはどうすればいいんだ?」 恥ずかしそうに顔を赤らめて立っていたまさとくんが 台詞のようにまたさつきちゃんに 聞いていました。 「赤ちゃんが立ってたらおかしいでしょ?  …そうだな、この辺に寝てて!  仰向けね、赤ちゃんみたいにだよ!」 難しい注文を躊躇なく押し付ける さつきちゃん。 「へいへい…。」と 頭を掻きながら その注文に答えるまさとくん。 オムツ姿で足をちょっと曲げて 仰向けになりました。 もうなんか…恥ずかしくて直視できない。 きっとちなつちゃんも。 …きっとそれ以上に恥ずかしいのは まさとくんなんだけどね。 本当にさつきちゃんには 頭が上がらないんだなぁ。 わたしはドキドキしながら でもちょっとワクワクしながら さつきちゃんの指示を待っていました。 「じゃあ始めようか!  一応大雑把な設定としては  この家族は順風満帆な幸せな家族。  ある日の夜、夫のゆうとが帰ってくると  …あ、役名はそのままね。めんどくさいから。  …で帰ってくるんだけど  今日ちょうどゆうとは会社をリストラされてしまった  って言う設定ね。  何も知らないめぐみたちは  いつものように食卓を囲んで夕食を食べている。  一応そこからスタートね。  基本的にはわたしが指示出してくけど  台詞とかはみんなアドリブでお願いね!」 ちゃんとしているのか適当なのか 良く分からないさつきちゃんの設定が発表されました。 「ははは!しょっぱな修羅場だな!」 「アドリブとか僕苦手だなぁ。」 「わたしもぉ…。」 口々に言うわたしたち。 「…まったく、何がしたいんだかな。」 恥ずかしい姿と恥ずかしい格好のまま そう喋るまさとくん。 「ちょっとーまさと!  赤ちゃんが喋ったらおかしいでしょ!  赤ちゃんはバブーとおぎゃーしか  喋れないの!」 もうメチャクチャな設定…w 「返事は?」 その問いかけに 「…バブー。」 と恥ずかしそうに答える まさとくん。 「ははははは!」 流石にみんな笑っちゃいましたね。 わたしも悪いと思いながらも 笑ってしまいました。 ホントに人がいいんだよね、まさとくんって。 「よし、じゃあ最初のシーン。  夫のゆうとが帰ってくるとこね。  アクション!」 …おままごとって言うか 単にさつきちゃんが 映画監督みたいなことしたかっただけみたいに 感じちゃいましたね。 さつきちゃん映画好きって言ってたし。 まぁ歯向かえないんだけどさw 「ただいまー。」 そう言ってブルーシートの我が家に入ってくる はかせ。 「おかえりなさい。  今日もお疲れ様。  夕飯の仕度出来てるわよ。」 精一杯の演技で わたしはそう言いました。 「おいしー。」 「うんめーうんめー。」 子供役の2人も まぁ適当っちゃ適当だけど それなりに演技してるみたいでした。 …早速沈黙の食卓。 「…次。  はかせ…じゃなくて夫のゆうとが  今日リストラされたことを  深刻に告白する!  あとまさと!  適度に赤ちゃんの演技するように!」 「…おぎゃー。」 恥ずかしそうなまさとくんの声が聞こえて またみんなで笑っちゃいましたw さつきちゃんは すっごい楽しそうでしたね。 わたしも嫌ではなかったけど まさとくんが可愛そうで仕方なかったですw 「…実は  今日会社で上司に呼ばれてさ。  リストラされちゃったんだ。」 真剣な眼差しで そう演技するはかせ。 ちょっと笑いそうになっちゃったど そこは堪えて わたしも精一杯の演技で答えました。 「えぇ!?  ど、どうして?急に?  ま、まさとも産まれて  これから先家計も更に  厳しくなっていくはずなのに…。」 ナイスアドリブって感じ?w なんか女優さんって楽しいかも。 とか思っちゃいましたね。 …そしてまた沈黙。 はかせはどうやら 本当にアドリブが苦手みたいw 「…はい次!  夫のゆうとは酒を一杯飲むと  オレだって大変なんだよ!と  暴れだすシーン!」 リアルだなぁもう…。 本当に内容まで 4年生の子供がするのがおかしいような リアルな大人な世界って感じ。 「…オレだって大変なんだ…よぉ!」 はかせは立ち上がると 全く威勢を感じさせない声で そう言いました。 「あなた!」 わたしも立ち上がり 必死の演技力で応じてみる。 「はいそこで子供たちが泣き出す!」 「えーんえーん。」 「わーんわーん、父ちゃん怖いよぉ…くくく。  わ、わーんわーん。」 「はいそこで赤ちゃんも泣き出す!」 「…おぎゃーおぎゃー。」 あまりにも低音で やる気のない赤ちゃんの泣き声に 流石にまた笑っちゃいましたw 「まさと、ちゃんとやってよー。」 半笑いで言うさつきちゃん。 「やってるよ!」と顔を赤らめて言うまさとくん。 「…ほんとにー?  まぁいいや。  はいじゃあ次。  妻のめぐみがまさとをあやしに  まさとのとこまで来るシーン!」 …ちょっとドキッとした。 あやすってどうすればいいんだろう。 …と、とりあえず移動すればいいんだよね。 わたしはドキドキしながらも まさとくんのところに行きました。
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