曖昧サンドイッチ 6
(2011年12月17日 19:59)
「えーーーーーーーー!!」
「ホントにーーーーー!?」
久音ヶ丘北小学校2年3組。
給食の時間。
何やら、盛り上がっている様子。
「なんでー?普通じゃない?」
「普通じゃないよ~。」
「へー、すげーなぁ。」
会話の中心にいるのは、3班の舞。
「だってお兄ちゃんだもん。
一緒に入ったって、全然普通だもん。」
どうやら、福と一緒にお風呂に入っている話を、
班の友達に話したらしい。
珍しい話題と言うものは、すぐに広がるもので、
クラスのみんながみんな、3班の話に釘づけだ。
担任の新米先生も、何食わぬ顔をしながら、
生徒たちの会話を、ドキドキしながら聞いている。
「お兄ちゃんに裸見られて、
恥ずかしくないの?舞ちゃん。」
「ぜーんぜん。」
そんなわけないじゃん、と、舞。
「えー、あり得ねー。」
人一倍驚くのは、意外にも浦川くん。
「なんで~!?
浦川くん、いっつもみんなの前で、
平気な顔して出してるじゃん!」
「確かに~。」
「やだぁ。」
「そうだよ、何も恥ずかしくねぇだろ浦川は。」
「はっはは。」
「いや、姉ちゃんに見られんのは絶対無理。
恥ずかし過ぎるって~。」
「何それ~。」
「何だよそれ~。」
はっはははは!と、笑いに包まれる教室。
ホント、なんだそれ。
「じゃあさ、滝本もさ、
兄ちゃんの裸、見てんだ?ちんちんとか。」
「うん、もちろん!」
「うっそーー!!」
「やだぁー!!」
新米先生が、箸で掴んだミニトマトを、落とす。
「はっはは!」
「いいな~。」
「えっ?」
「あっ…、…。」
「あのねあのね、お兄ちゃんの、おち、じゃなくて、
あの、えーと、あの、アレ!あれ、ね!
すっごいおっきいんだよ!!」
「えーーーーー!!!」
「舞ちゃんやだぁーーー!!!」
「あっはははは!!!」
新米先生が、豪快にシチューを、こぼす。
「なぁなぁ、浦川のと比べたら、
どんくらいデカいの?」
「ぅぉいっ!!」
「えっとね~。んっとぉ、
浦川くんのがこれくらいだとしたらぁ…、
こーんくらい、おっきい!!」
「えーーーーー!!!!」
「でっけーーーーーーー!!!!」
「かっけーーーーーーーー!!!!」
「やだぁーーーーーー!!!!」
新米先生が、揚げパンを詰まらせて、むせる。
「そんでねそんでね!
舞の前でね、こやってね。
ふ~んふ~んぶ~らぶ~らソーセージ~。
って、やってくれるんだよ!!」
「やだぁーーー!!!」
「あっははははは!!!」
「おっもしれーーーー!!!」
新米先生が、口に含んだ牛乳を、大胆に吹きこぼす。
「そんなんオレだって出来るもんねっ!!」
おもむろに立ち上がる浦川くん。
迷うこともなく、一息でパンツごとズボンを下ろし、
下半身を露出する。…と、
「ち~んち~んぶ~らぶ~ら
ソーセージ~。」
誇らしげに、福の真似をする浦川くん。
「きゃーーーーーー!!!!」
「やだぁーーーーーー!!!!」
「さいてーーーーーーー!!!!」
「おいっ!!食事中っ!!!」
「あっははははは!!!」
「ぜんぜんちがうーーーー!!!!」
「きゃはははは!!!」
度々起こる、お祭り騒ぎ。
いつも、浦川くんが原因。
「せんせー!!
浦川がちんちん出してるーー!!!」
チクられ、さすがに自粛するのかと思えば、
果敢にも、先生の机の前に踊り出て、
「ち~んち~んぶ~らぶ~ら
ソーセージ~。」
を、披露する。
先生の牛乳が倒れ、中身がドクドクと流れ出す。
もう、お盆の上はグチャグチャ。
「こ、コラッ!!!
そ、ソーセージしまいなさいっ!!!」
咄嗟に、ついつい、
教え子の大事な部分を、食物に例えてしまう。
「ソーセージだって~!!!
先生エンローーッ!!!!」
「あっはははは!!」
「おもしれーーーー!!!!」
「いやだもーーーう!!!!!」
「きゃっはははは!!!」
「……ッ!!!!!!」
クラス中が爆笑の渦。
周りのリアクションに、浦川くんはもう大満足。
「いひひ。」
やり切ったとばかりの笑顔を浮かべ、
ソーセージをしまう。
祭りの余韻はなかなか消えず、
みんなのハイなテンションも、なかなか消えない。
「…ふぅ。」
心を落ち着かせ、食事に戻る新米先生。
なんとか1つずつ片付けていき、
奇しくも最後に残ったのは、1本のソーセージ。
よりにもよって、なんで今日…。
生徒の視線をチラチラと気にしながら、
慎重に、最後のそれを摘み、
急いで、でも、それでいて優しく、
口の中へと転がす。
2011年12月18日 10:36
ショタ浦川くんみたいな児童いるんですかね