雑草と太陽 7
(2012年5月30日 21:00)
次の日の放課後。 雲1つない、春風の心地良い、まさにスポーツ日和。それでも、校庭の隅はいつものように、木の葉の隙間から微かな日差しを受ける程度である。 誰かのせいですっかり色褪せた、淡い2本のコースライン。そのスタート地点に、2人の選手が並ぶ。 勝者の証人役を買って出た人数は、前回の15人を遥かに上回り、ほぼクラスの全員。 またかよ、もう私はいいや、なんて言… 続きを読む
雑草と太陽 6
(2012年5月23日 22:00)
2回目の再戦が発表されたあの日以来、ノリは放課後、毎日のように走り続けた。 僕も、そんなノリに付き添い、ただただ、応援し続けた。…でも、ただ、それだけだった。 今日は再戦の前日。何かが改善されたのかと訊かれたら、…、黙りこくることしか出来ない。それでも僕は、 「よーい、ドン!」 ノリの望みを、ただただ、機械のように、遂行することしか出来ない。…… 続きを読む
雑草と太陽 5
(2012年5月17日 22:00)
次の日。教室内には、ノリをバカにしたような空気は流れておらず、とりあえず安心する。ノリとも、普段通り、いつもと変わりなく、接することが出来た。…はずだ。再戦を申し込めたかどうかは、言ってこなかった。言ってこなかったから、訊くこともしなかった。気になるけど、これはノリの問題だし。…うん。そして、放課後。昨日と同じく、先生が教室を出て行った後、鹿島、とノリが、み… 続きを読む