神事 狸相撲 6
(2012年12月5日 00:25)

ただ羞恥を振り切るために逃げてきたはいいものの、こんな生まれたての姿で向かえる場所など何処にもあるはずがなく。ざわめきが耳から離れない、でも、せめて誰からも隠れるように、大きな木の陰にうずくまる海斗。 少しもせずして、誰かがゆっくりと、きっと恐る恐る、近づく。手にほどけたマワシを握り締めた少年、宏太。 「あ、…あの、…海斗…、あの…」 完全に自分のせいで萎れ… 続きを読む
神事 狸相撲 5
(2012年11月6日 22:00)

「きゃーーーーーーーー!!!!」 幾億にも思える笑い声や悲鳴をスルリとすり抜け、真っ先に脳天を貫く彼女の声。 「ぅあっ…!!!!」 あの子が自分から顔を逸らすのを横目に確認するや否や、こうなってしまった者なら誰しもが反射的に行なわざるを得ないアクション、『股間を隠す』をする海斗。両手に伝わる自分の柔らかい感触。分かっていたけど絶望する。丸出しだった。 ―あっ… 続きを読む
神事 狸相撲 4
(2012年10月31日 21:00)

…あれ?望んでいた、大喜びしてくれているあの子の姿はそこにはなく、代わりにいるのは、下方を見つめキョトンとする彼女。 嫌な予感が脳を支配するのと同時に、下半身を襲う、違和・視線・涼やかさ。 1秒後、歓声とも悲鳴ともつかない、異様な沸きを見せる周囲。いくら大将戦と言えど、「押し倒し」なんて、普通過ぎる勝ち方をした少年に、こんなにどよめくわけがない。 0.5秒後… 続きを読む