CFNM日記

雑草と太陽 7

(2012年5月30日 21:00)

次の日の放課後。

雲1つない、春風の心地良い、まさにスポーツ日和。
それでも、校庭の隅はいつものように、
木の葉の隙間から微かな日差しを受ける程度である。

誰かのせいですっかり色褪せた、淡い2本のコースライン。
そのスタート地点に、2人の選手が並ぶ。

勝者の証人役を買って出た人数は、
前回の15人を遥かに上回り、ほぼクラスの全員。

またかよ、もう私はいいや、なんて言ってた人も、
結局はみんながみんな、この場所に集結している。
その理由は、…分からないわけがない。

嬉しそうにゴール地点に群がる、クラスメイト達。
表面上は、ボランティアとしての参加、と言うことなんだろう。
でも、あえて口にはしないだけで、本当の目的はまるで違う。
それを思うだけで、胸が締め付けられるように痛くなる。

でも僕には、もう、何も出来ない。

「よーし、やるぞ~!」

スターター係が声を張り上げる。

「おおーーー!!!」
「いえーーーい!!!」

大いに盛り上がるゴール付近。
ノリは…、自分を信じきった顔で、
目指す場所だけを、ただじっと見つめている。
50m先のこの場所からでも、それだけはひしひしと伝わってきた。

………。

「位置に着いて~…、」

………っ。

「よーい…、」

…っ。

「ドンッ!!」

一斉にスタートを切る鹿島とノリ。
響く足跡、近づく2つの影。

………。
風のように目の前を通過していく2人。

………。

蓋を開けてみれば、一瞬だった。
……、結果は、

 

「鹿島の勝ち~~~!!!!」

全員一致、贔屓目一切なしの、その回答。
その通りだった、分かっていた、当然だった。
…でも、どうすることも出来なかった。

「オエーーーーーイ!!」

余裕綽々とばかりに、クラスメイト達に駆け寄る鹿島。

―イエーーーーイ!!
―あ~あ~。
―きゃ~~~~!!!

歓声、どよめき、照れ。
一週間前とは比にならない、異様なムード。
その理由は、”鹿島の勝った”からではなくて、
間違いなく、”ノリが負けた”からなのだろう。

そんな輪の中に、躊躇いながらも、視線を逸らしながらも、
ゆっくりと近づいてくるノリ。
みんなの視線が一斉に、鹿島からノリへと向けられる。
…、…ノリ……。

「ってことで、大野。
 約束は守ってもらうぜ。」

嬉しそうに、ノリの肩を組む鹿島。
ノリはただ無抵抗に、拒絶する様子もなく、
目線を何処かへと落とし、動かなくなった。

―マジでやるのかっ!!
―待ってましたぁーーー!!
―きゃーーーーー!!!

周りのみんなが、思い思いに、感情を爆発させる。
ノリの頭から、1滴2滴、汗が流れ始める。
色黒だからよく分からない…、けど、
顔全体が赤らんでいるのが、僕には分かっ…

……、……っ!!!
僕は自分の体の変化に気づき、思わず、股間を手で押さえた。

 

 

「こんなもんでいいかな。」

さっきと同じように、コースのスタートラインに立つ鹿島とノリ。
その2人を扇形で囲むように、3列になってみんなが並ぶ。
女子は見やすいように、そんなよく分からない理由から、
1列目には全員女子が配置させられた。

「よっし、じゃあ大野、覚悟はいいか?」
「…………。」

無言を呈するノリ。

「…いいんだな。
 よし、じゃあ負けた罰として…、
 大野の”素っ裸の刑”、スタートォ!!!」

―イエーーーーイ!!
―パフパフゥ!!
―もーう!!

…っ。

―…ビクンッ。

 

「よし、じゃあまずは、上脱げ。」

隣りの鹿島が指示をする。
ノリは、小さく深く、1つ深呼吸をする、と、
ザバッと、男らしく、上の衣類全てを一気に脱ぎ、
地面にそれをバサッと落とした。

ノリの小麦色の上裸が、みんなの前で晒される。

―フゥーーーー!!!
―おっとこっまえーー!!
―もううるさーーい。

好き放題に野次が飛ぶ。
…んっ。………。

「なかなかいい体してんな。
 乳首とか、結構エロくね?」

鹿島がノリの片方の乳首を、人差し指でつつく。

―ちょっ!!
―あっはははは!!!

……!!なんてことする……!!!
………。
…、ノリは、ただひたすらに、無言で耐えている。

「うっし、じゃあ次は、靴と靴下。
 素っ裸だからな、全部脱いでもらうぞ。」

―うっわ。
―やだぁ。
―鬼ー!!

「うっせー、最初にそう言っただろ。」

全く容赦はしてくれないみたいだ。
…。

靴と靴下を両方、ゆっくりと、
言われるがままに脱いでいくノリ。

―フゥーー!!
―野生児~!!!
―………。

脱ぎ、終わる。
素足を地べたに付け、上半身裸で仁王立ちするノリ。
この期に及んで、カッコいいな…、なんて、
思ってしまった、自分が嫌だ。

「よし、後2枚だな。」

後2…、枚……。

「ここまで来ても逃げ出さないってことは、
 もう覚悟は出来てるみたいだな。
 男らしさは評価するぞ。」

…、ノリは、そんな卑怯な真似、絶対にしない。

「まぁもったいぶっても仕方ない。
 とりあえず下脱げ。
 あ、まずはハーパンだけな、ちんこはまだ出すなよ。」

―あっはは!
―やだーーー!!

盛り上がる男子に、嫌がる女子。
のくせに、誰もそこから動こうとはしない。
………っ。

―サッ。

そんな周囲になど構うことなく、…
構う素振りなど見せる様子もなく、
下のハーフパンツをスルリ脱いでみせるノリ。

中から現れる、黒いパンツ。ボクサーパンツ。
ノリの…、パンツ、…一丁…、
…んっ……!!!!

―ウッホ!!
―きゃーーー!!!

ノリの残り1枚姿に、大いに沸くクラスメイト達。
んっ…、んん…っ。

「さてさてさて…。」

………、

「ついにライト1枚となってしまいました。」

ニヤニヤを全開にする鹿島。
ノリは、…駄目だ、顔、見れない…や。

「大野くんはどんな可愛いおちんちんを
 しているのかな~?」

再びノリに肩を組み、周りを煽る鹿島。

―ぃやぁ~!!
―ヒューーーーー!!!

…、……んんっ…。

「うっし、んじゃ大野。
 自分の好きなタイミングでいいからな。」

それだけ言うと、

「脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ。」

手拍子と共に、コールを開始する。
それをみんなの方にも向け、「お前らも。」の合図。

「脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ!」

1人、2人、3人、男子がそれに同調する。

「脱ーげ、脱ーげ!脱ーげ!」

目線を落とし、恥じらいながらも、
小さく手首を叩き始める女子。

「脱ーげ!脱ーげ!脱ーげ!」

僕は…、僕……、は……、
…っ、……。

……、………、
ノリがゆっくりと、パンツに手を掛ける。

この記事へのコメント
  1. 18話中7話でここまでか

    まだあるのにもう脱ぐのか
    なんか裏がありそう(笑)

    • コメントどうもです~。
      是非最後まで飽きずお楽しみいただければ幸いです!

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