小説

イカサマG@ME 12

唐突に、負けたらすっぽんぽんと言う 決まっていたルールを 全力で阻止しようと、1人反論を訴える三浦。 そんな…そんなの駄目だよ…!ルールだもん! そりゃ、わたしたちもイカサマしてたのは ちょっとは反省してるけど それはお互い様だし、その後最後にやったババ抜きは 完全なる男女平等なものだったと 自信を持って言い張れる。 それなのに…終わった今になってそんなこと言われたって 納得いくわけない。 大体、見方の森くんの方が一番… 「…お、お前!今更何言ってんだよっ!!」 「今更って…、い、今だからこそ言ってんだよっ!!  その瞬間以外に抗議する場面があるのかってんだ。」 「そんな無茶苦茶な…  …、だ、だだ、大体!!お、俺はどうなんだよ…!!」 そう言って、恥ずかしそうに前を隠そうとしながら 自分がすっぽんぽんであると言うことを 三浦にアピールしようとしている森くん。 そりゃそうだよね。 既に全てを曝け出した森くんからしてみたら 自分だけが辱めを受けて、相方がそれを回避する事態なんて 納得がいくはずがあるワケない。 当然のごとくわたしも 森くんの訴えに 両手両足4本を挙げる覚悟があるくらい大賛成。 千佳はどう思う…? なんて思ってそちらに視線を向けたけど 当の本人は、隠そうとする森くんの行為のせいで 再び集中的に視線がそちらに向いてしまったんだろう。 もういつでも思い出せるほどに この数分間で凝視していたはずの森くんのゾウさんを 改めて網膜に焼き付けてしまったのか 「…もぅっ。」と一言呟いて 床のカーペットを指でいじっていた。 今千佳に意見を求めるのは無意義みたいね。 わたしだって、チラチラ 嫌でも横目に写り込んでくる森くんジュニアの造形を 頭の中で数秒考え込むだけで 顔がポッポしてきちゃうけど そうならないようにこうして今 心の中だけど 馬鹿みたいにいろいろ1人で語ってるんだよ。 …そんな苦労誰にも届かないだろうけどさ。 と、そんなことより三浦…!!! 「…し、知らねぇよ!!お前が勝手に1人で脱いで  そんなだらしねぇ丸出しの姿になっただけジャンか。  全く…、クラスの女子の前で、んなモンぶら下げて…  男のオレから見ても、恥ずかしくなるぜ…。」 裏切ったとはいえ ババ抜きを一緒に闘った戦友である森くんを 今度はオレの番だとばかりに 裏切り返すようにそう言い放つ三浦。 「…お、お前…!!!」 まさかの味方の裏切りと その発言に更に恥ずかしくなってしまったのだろう。 森くんは口から零れるようにそう呟くと 自分の、きっとこれ以上ないほどの恥ずかしい姿を 改めて自分の眼で確認し 隠すことも言い返すことも出来なくなったように その場で固まってしまう。 そんな森くんの姿などお構いなし 半ば開き直ったかのように お喋りになったアホ猿が、更に続ける。 「…大体なんでババ抜きで負けたくらいで  こんな低俗な女子2人に  オレのを見せてやんなきゃなんねーんだよ。」 その言葉に、ドキドキしながら 無言で2人のやりとりを聞いていたわたしの耳が 思わずピクッと反応する。…今、なんて…? 「…それ、ど、どう言う意味よっ!!」 思わず衝動的になって、三浦に向かって叫ぶわたし。 「…どういう意味って、そう言う意味だよ。  もしかして、低俗の意味が分からないのか?  それじゃ話になんねぇな。」 そう言って負けたのに勝ち誇ったかのように フッと微笑を携える三浦。 「…そ、それくらい分かるからっ!!!!  大体、アンタがこのババ抜きやろうって  言い出したんじゃん!!  それにインチキまでして、しかも挙句の果てに負けて…  バッカじゃないの!?」 わたしたちもイカサマを働いていた…と言う事実は 墓場まで持ち帰ろうとこの一瞬で決意したわたしは とにかく咄嗟に 三浦の口から出た明らかに悪口に似た暴言に 黙っていられなくなって、強気にそう訴えかける。 「…ん、んなこと知るかっ!!!  アレはその…事故だ!こんなはずじゃなかった!!!  だから本来はお前らが裸になるべきだったんだよっ!!!  …それに、負けたのはオレじゃなくて森だろ?  なのにオレまで素っ裸になるなんて  良く考えたらおかしい。  森だけマッパになれば、一番筋が通ってる気もする。  そうだよ、これでいいんだよっ!!!」 勝手に自分の案が一番正しいかのように 淡々と演説し始める小猿…いやむしろこの際 もう“ガキ”でいいよ。 まぁ良くも そんな誰の同意を求められないようなセンテンスが 次から次へと飛び出すものよね。 「森くんが可哀そうだと思わないの…?アンタ。」 段々三浦の隣りで肩を下ろす すっぽんぽんの森くんが哀れに思えてきちゃって 悪いと思いながら チラッと森くんのブツをさり気に視界に入れつつ 目の前で高らかに喋くりまくる 未だに顔まっかっかのお猿さんに問いかけてみる。 …よく考えたら、あんな強気な発言しときながら 実際は顔の血色からして 滅茶苦茶恥ずかしがってるんだよね、三浦。 ホント、猿って表現が こんなに似合う人いないんじゃないかってくらい。 …実際のところ これが三浦の最後にして精一杯の抵抗なのかもね。 頭の中では、この後わたしたちに見られてしまう末路を 思い描いてるのかもしれない。 そう思うと少し可愛くも思えちゃったけど 当の三浦の返答はと言うと… 「…だ、だからンなもん知るかっつーの!  森が勝手に負けて勝手に全裸になったんだろ!?  それにお前らみたいなレベルの低い奴らには  三浦の全裸くらいが丁度いいんだよっ!!  オレの裸を見るなんて、百億年はえーんだよっ!!!」 そう言って、脱ぎ捨てたTシャツを拾い上げて 着ようとし始める三浦。 あ~あ…、もう知らないよ。 感情が高ぶりすぎて、自分でも何言ってんだか 分かんなくなってるんだろうけどさ。 わたしたちには正直そんなの知ったこっちゃないし。 …それに、そんなこと言われて わたしたちがオズオズと引き下がるとでも? さぞかし立派なモノをお持ちなんでしょうね~… 三浦くん。 正直言わせてもらうと、わたし森くんのよりも アンタのソレの方が 百億倍くらい興味があるんだよね。(森くんには悪いけど…) いつもふざけたことばっかりやって 何故かは良く分かんないけど いつもわたしばっかりコイツと対立してて 気づくとわたしは全然悪くないのに わたしまで先生に怒られたりしてて…。 今さっきの言動から見ても分かる通り 口ばっかりいつも達者でさ。 それで何故か そんなコイツと一緒に被害を受けるのはいつもわたし。 …いつかね、ギャフンと言わせてやろうと思ってたのよ。 …で、それが今。 こんなまたとない機会、もう二度と来ないかもしれない。 この際もう、手段は選ばないよ。 いつまでも恥ずかしい姿のままの森くんには悪いけどさ。 三浦、アンタ下手こいたね。 アンタのいつもの饒舌タカビー発言のお陰で わたし本調子取り戻しちゃったみたい。 …よし。 わたしが、勢いに任せてやってしまおうと 立ち上がろうとした… まさにその瞬間。 ちょっと予想していなかった人物が 突然わたしたちの助っ人として参戦する。 …すっぽんぽんの森くんが、真剣な顔を朱色に染めながら サッと三浦の後ろに回りこみ 一瞬で三浦を後ろから羽交い絞めにした。 「…お、おい!ちょっ!!お前っ!!何するっ…!!!」 「田嶋!!丸山!!こいつのズボンとパンツ  一気に脱がしちまってくれっ!!!!!」 お宝をぶら下げたままの、まさかの森くんの捨て身攻撃。 三浦からすれば完全なる仲間の喪失。 味方の裏切り行為。 …まぁ気が動転してたとは言え あれだけ散々言い切った後だモンね。 森くんの反感を得ない方がおかしいってなモンよ。 自業自得。 「…千佳。」 「…う、うん。」 わたしはしばらく蚊帳の外だった千佳に 一緒に三浦をすっぽんぽんにしてしまう “ズリ下ろし”行為に 補助役として付いてくれないか、 と言う意味を込めて呼びかけると 予想以上に素早く躊躇いもなく 千佳の返事がそう返ってくる。 …どうやらさっきの三浦の淡々たる語りは この千佳の反感までも喰らってしまったようね。 これで3対1…四面楚歌、成す術なしだよ…、ミ・ウ・ラ。 「…て、てめぇ!離せっ!!!離せよっ!!!」 「うるっせぇ!!!お前も腹くくって出せっ!!!!  んで俺にも見せてみろっ!!  そのご自慢のブツとやらをっ!!」 「…いや…だからそれは…!!くそっ!!!」 どうやら力的には断然 森くん>>>>>>>>三浦らしい。 必死で抵抗するも、全く抜け出すことの出来ず 蜘蛛の糸に引っかかった蝶のように、足掻き続ける三浦。 そんな三浦にゆっくりと膝歩きで近づいていくわたしたち。 わたしたちの接近に対し、せめてもの対抗策のように まだ何とか自由の利く両足を バタバタとおねだりする子供のようにバタつかせる三浦。 そんな三浦の抵抗も虚しく 足も森くんの両足によって巧いこと拘束されてしまう。 もうきっと森くんの体力が続く限り 身動きが取れないだろう。 人工的な麻痺状態と化してしまう。 「やめろっ!やめろっ!!!」と叫び悶える三浦に 手の届く距離まで近づき 改めてその三浦を凝視する。 まっかっかに染まった猿顔。 上半身裸で羽交い絞めにされ、抵抗するにも相手が動じず 虚しく足掻いている。 胸に2つほどついた、豆みたいに小さな乳首。 ちょっと触ってみたい…と言う 意味の分からない願望を即座に排除し 視線をお腹の真ん中に開いた 小さなおへそへとずらしていく。 そしてそのまま顔を下降させていくと いいところでハーフパンツの境界線にぶち当たる。 …駄目駄目。 この期に及んで、忌々しい対立相手の絶体絶命の姿に 今日一番くらいにドキドキしちゃってるわたし。 あとちょっと…あとちょっとで… …三浦の…   ……が見れるんだから。 そのボーダーラインの先を知るべく 意を決して、片手ずつ そっと三浦のズボンに手をかけるわたしと千佳。 しっかり、パンツごと。 「や、やめろぉ!!変態女っ!!」 うるさいっ!!変態猿っ!!!! 「や、やっちまってくれっ!!」 …了解。そして 「…せーのっ!!!!」 「やっ…やめろぉぉぉぉおおおーーーーっ!!!!!!!」 -ザッ…!!!! -2人の息もピッタリに わたしたちは手にかけたそれを、思いっきりの力で 垂直にズリ下ろした。
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