小説

イカサマG@ME 3

「男女交互に座った方が  なんかズルが無さそうでいいよな?」 そう言うのは三浦。 並び方とかは別に全然考えてなかったけど 確かのその方がいいかもな、とは思った。 仲間のチームのカード引いたって、面白味に欠けるしね。 …なんて デキレースにスリリングさを求めようとしてるわたし。 なんと言う悪女…。 そんなこんなで並び順を適当に決めた。 順番は時計回りに わたし→三浦→千佳→森くん に決まった。 正直どうでも良かったんだけどね、そんなの。 取り入れられる男子の案は 取り入れてあげていった方がいいよね。 …ふふ、超上から目線。 「よし、じゃー…始めるか。」 「オッケー。」 なんか喋ってんのわたしと三浦ばっかりだなぁ… なんて思った。 他の2人が物静か過ぎるのか わたしたち2人が出しゃばり過ぎなのかが ちょっと良く分からないけど…さ。 …後者だったら、ちょっと恥ずかしい…かな。 「んじゃ、ジョーカー1枚抜くぞ!」 そう言って箱を取り カードを取り出してジョーカーを探し始める三浦。 バレないかな…なんて、ちょっとドキドキしちゃったけど そんな心配をよそに 何事もなくジョーカーを1枚取り出す三浦。 そして残りが53枚ちゃんとあることを確認すると 裏向きのまま4人の中央にカードを置いた。 …ふぅ、ちょっと冷や汗かいちゃったけど 全然問題無さそうだね。 「…んじゃ、混ぜるべ。」 その一言で 裏向きのままゴチャゴチャに4人でカードを混ぜていく。 練習がてら、微笑むジョーカーを探してみたけど なかなか見つけられないもんだね。 自分の動体視力をちょっと疑っちゃった。 …別に全然心配してないけどさ、本番は見放題だからね。 程よいところで、カードを1つにまとめていく。 「…誰が配る?カード。」 「負けた人ってのがセオリーだろうけど…  最初は負けもクソもないもんな。じゃあ……」 そう言って1人ずつ顔を見回していき 「田嶋、最初配ってくれ。  こん中で一番信用できそうだモンな。」 そう言って、横目でわたしの方を見ながら笑う三浦。 「…ちょ、ちょっとそれどー言う意味よっ!!!」 「どうって、そう言う意味だよ。森もそう思うだろ?」 「…そ、そう思うって、良く意味が分からないけど…  カード配るのは、田嶋でいいと思う。」 「…!も、森くんまでっ…!!!」 「そう言うこった。んじゃ田嶋、よろしく頼む。」 「…え!…う、うん…分かったぁ…。」 …なによ、2人してわたしのこと馬鹿にしてっ…!! そりゃあ普段から結構喋る性格だってのは認めるけどさ…。 信用ないなんて言われたら わたしだってちょっとカチンとくるよ…。 全くもう… …ま、いいけどね、笑ってられるのも今のうちだよ。 ちょっと、ズルすることに 罪悪感を感じちゃってたわたしがいたのも事実だけど もうそんなものもこの瞬間なくなった。 途中までいい気にさせるのもちょっと億劫だけど 最後の最後でね…ふふ、思う存分拝ませてもらうわよ… あんたたちの…、…んふ。いやーん。 そんなこと思っているうちに 千佳はテキパキと、さらに手元でカードをきって みんなにそれを配るのところまで 準備が調っている状態になっていた。 そこまで終わったところで 心配そうにわたしを見つめてくる千佳。 すぐさま目線を逸らすわたし。 …もう、怪しまれちゃうじゃんね。 まぁそこまで千佳に求めるのも酷だとは思うけど…さ。 最後までハラハラしなきゃいけないのは しょうがないみたいね。 ちなみにみんなの脱げる服をザッ見ておくと わたしは上から、シュシュ、上2枚、靴下2枚の5点。 千佳は、髪どめ、上2枚、靴下2枚の5点。 眼鏡もかけてるけど、度が入ってるし 視力落ちたら天使の見分けつかなくなるから カウントはしてない。 三浦と森くんはザッと見た感じ、服の構成は同じで 眼鏡、上1枚、下1枚、靴下2枚の5点って感じ、かな。 眼鏡は2人ともお揃いのダテ眼鏡みたいだね。 どこから買ってきたんだか…無駄な努力とも知らずにね。 どちらにしても 5回負けちゃった方が負けってことになるみたい。 …まぁ、その後に最後の1戦が待ってるワケだけど。 千佳は心配そうな顔をしたまま 均等にカードを1枚ずつ配っていく。 その様子を見守るわたしたち。 …男子は何考えてるんだろうな。 んまーきっと、わたしたちのブラ姿くらいしか 考えてないんだろうけど…ね。 それを見れるだけでも、男子にとっちゃ得なのかもね。 全員に配り終わり 手元のカードを見られないように手に取る。 揃っているカードを 手際よく真ん中に捨てていくわたしたち。 揃ってたのは全体で5組くらいかな…? まぁ…こんなもんだよね。 「…最初は負けた人からってのがセオリーだけど…  んまぁここはさっきと同様の理由で  田嶋からスタートってことで。」 そう言って、再びわたしの顔を見て笑う三浦。 だからその顔…!!! くっそぉ…、今に見てろよぉ…!!!! 「よっしゃ!んじゃ、脱衣ババ抜き、スタートォ!!」 こうして、三浦の掛け声と共に イカサマババ抜きは始まった。
ページトップへ