小説

気になるあの子 3

目の前の映像に わたしはビックリを通り越して 唖然としてました。 きっとこのときだと思う。 わたしは手に持っていた小説を 地面に落としちゃってたんだな。 まずワンちゃんの 驚異的な力にひれ伏して 宙を1回転して地面に叩き落とされた 男の子。 なんかの映画の1シーンみたいな 迫力だった… …そんな感心してる場合じゃなくて! 大丈夫かな?大丈夫かな!?と 男の子を心配していると ワンちゃんがわたしの元に やってきて… 最初は何か分からなかった。 何か咥えてるな…とは思ったけど さっきのシーンがあまりにも 衝撃的で。 …ようやく精神も落ちついてきて ワンちゃんに目をやると ワンちゃんは咥えていたそれを わたしの太ももの上で離しました。 わたしの太ももに 何かあったかいものの感触が 伝わってきて… …なに…コレ? 最初は良く分からなかったけど それは間違いなく ズボンでした。 男の子の短パンでした。 え?脱がしちゃったの? ビックリするわたし。 しかもよく見ると短パンの中に 明らかに短パンの色じゃない 白いものが入ってるのが分かりました。 …一部分だけ 若干黄ばんでたのも そのときのわたしは見逃しませんでした。 …コレ…パンツ……だよね? 男の子の下着なんて マジマジと見たことなかったし しかもそれを今わたしは 所有してしまっている…。 そのことがなんだか異常に恥ずかしくて 心臓がドキドキ 脈を打ち始めたのが分かりました。 だってここにズボンとパンツがあるってことは… わたしはどうしようか迷いつつも 確認しなきゃ、と言う よく分からない使命感に駆り立てられて 意を決して男の子に 目線を移しました。 …ちょうど男の子が立ち上がった瞬間。 あ、大丈夫だったんだ、良かったー。 と安堵するのもつかの間 わたしの目に 初めて見るものが 飛び込んできました。 おへそのちょっと下に ちょこんとついたソーセージ。 その下にお稲荷さんみたいなのが くっついていました。 ドキドキドキ…。 …これが…おちんちん…? 初めて見たそれを わたしは食い入るように 見てしまいました。 夕日を浴びて 男の子のおちんちんは そこの部分が強調されるように 照らされていました。 …ぷるぷると小刻みに揺れながら。 男の子がこっちを見てる。 ちょっと視線を上げると目が合いました。 どうしよう…。 まだ気づいてないのかな。 おちんちん…見えてるよ。見ちゃったよ…。 目線を上下に動かしながら サインを送るわたし。 もちろん終始心臓はバクバク。 何回か上下に見続けるわたしに ようやく男の子は不審に思ったらしく 自分の姿を確認し やっと事態に気づいたみたいでした。 顔を真っ赤にして 咄嗟に両手でおちんちんを隠してました。 沈黙の公園…。 そんなわたしたちにはお構いなしに ワンちゃんはゆっくりと さっきいた自分の定位置に戻ると お座りをしました。 目の前には顔を真っ赤にして こちらの様子を窺っている 男の子。 Tシャツに靴だけを履いた もの凄くだらしない格好で…。 そんなわたしは その男の子が 今1番返して欲しいであろう 衣類2着を 手に握り締めている。 どうしよう… 自分で返しに行くべき? わたしが迷っていると 躊躇しながらも男の子が おちんちんをしっかり隠しながら わたしの方に 歩いてきました。 分かっていたけど もうドキドキ。どんな顔すればいいんだろう…。 わたしの目の前で静止する 顔を真っ赤にした男の子。 見つめ合うわたしたち2人。 良く分からないいろんな感情が混ざり合って とにかくドキドキ…。 「あの…その…。  か、返してくれないか。」 困ったようにそう言う男の子。 わたしはなんか 体が動かなくなっちゃって ただただそんな彼を眺めていました。 どうしようといった顔の男の子。 すると 「…すまん。」 そう言って男の子は 両手でわたしの掴んでいるズボン(パンツ入り)を 掴んできました。 手から開放されたおちんちんが ぷるるるんって飛び出しました。 本当に目の前に現れたおちんちん。 お稲荷さんにホクロがあるのさえ 分かっちゃいました。 「きゃ!」 わたしは声を上げると 何を思ったのか自分でも良く分からないんだけど 掴まれたズボンを 思いっきり引っ張って奪い返し とにかく動かなきゃと思って ベンチから立ち上がっていました。 目の前にはビックリした様子の男の子。 …おちんちんは丸出し。 ちょっと見つめ合って どうしようどうしようと思っていると… 「カー。カー。」 …カラスの鳴き声が聞こえました。 きょとんとするわたし。 そしてわたしは 「カ、カラスが鳴くから…  か、帰らなきゃ!!」 咄嗟にそう言うと 公園から飛び出していました。 自分でも何やってんだか分かんない。 きっと頭がパンパンだった。 猛ダッシュで走り続けて 10分くらい。 あとちょっとで家の近くって ところまで来て気づいた。 …手には男の子のズボンとパンツを まだ握り締めていました。
ページトップへ