CFNM日記

雑草と太陽 2

(2012年4月26日 22:00)

放課後、今日の授業も無事に終了。
体育の後の授業の気だるさと言ったら…、
とりあえず、お疲れ様でした。

…ふぅ。

結局あれ以来、ノリと話をしていないけど、
さすがにもうほとぼりも冷めただろう。
いつものように、「一緒に帰ろう。」を言いに、ノリの元へと向かう。
…と、

ノリの席に、もうノリはおらず。
もう帰ったの?と、慌てて周りを見回す、と、
あ。
すぐさまその姿を、割と簡単に見つけることが出来る。

ホッ。…と、安堵するのもつかの間、
どうやら誰かの席の前にいる様子。…ん?…、鹿島?
どうやらノリの方から声を掛けたらしい。
…なんだろう。気になって、そっと近づく。…と、



「え?再戦?」
「おう。」

戸惑う鹿島と、真剣に訴えるノリ。
再戦?…それって、

「なんでそんなことしなくちゃいけないんだよ。」
「別にいいだろ、すぐ終わる。」
「いや、そういう問題じゃなくて。」
「頼む。」

頭にハテナの鹿島に、真顔のまま懇願するノリ。
確信はないけれど、きっと話の流れ的に、
今日の50m走のリベンジをさせてくれ、そう言うことだろう。

「…、でも今日もう疲れてるし。」
「今日じゃなくてもいい。明日の放課後でもいい。」
「………。」
「頼む。」
「…、……分かった、…よ。」
「サンキュー、恩に着る。」

鹿島の合意を確認すると、顔に笑みを浮かべるでもなく、
その顔つきのまま、歩幅大きく教室を出ていく。

「…なんだぁ?あいつ。」
「変なの。」

訝しげに首を傾げる鹿島グループのメンバー。
…うーん。……。…と、あっ、

「ちょ、待ってよノリ~!!」

僕も小走りで、教室を飛び出す。



放課後、の、さらに放課後。

いつものようにノリと2人で帰る、…と思いきや、
ノリが向かった先は校庭の隅、もとい、
今日50m走の測定を行ったあの場所。
僕も後を追うように、その場所へと足を運ぶ。

アスファルトの段差に、
ノリのの隣りに並べるようにランドセルを置く。
何をするんだろう、…なんて、野暮な疑問。
当然、



―ダッダッダッダッダ…。

誰の合図があるわけでもなく、
既に少し消えかけた白線に沿って、走り出すノリ。
やれやれ…、僕はゆっくりと、そこに腰を下ろす。

―ダッダッダッダッダ…。

ただただ無言のまま、50m走のインターバルをこなすノリ。
よくやるなぁもう…。…と、

「…ん。なんだユキ、いたのか。」
「は~あ?ひっど。」

ようやく僕の存在に気付いたのか、そんなことを言う。
酷いと思いながらも、それだけ集中していたんだろう。
汗まみれの顔を見ると、何も言えない。

「そうだ、暇ならよーいドン言ってくれよ。」
「えーえ?」
「別にいいだろ。」
「はいはい。」

まぁ、ノリが納得いくまでは暇だろうからね。
僕はその場に座ったまま、合図係を引き受けることに。

あぁ、そうそう、ユキって言うのは僕のこと。
小池幸生。だから、名前の最初を取ってユキ。
まぁ、ノリにしかそう呼ばれてないんだけどね。
なんだか女子みたいだけどさ、不思議と嫌じゃないんだ。

「よ~い、ドン!」

ノリのために、ちょっと苦手な大声で、それを送る。
その度に、全力で駆けていくノリ。

走り終え、腰に手を当て戻ってくる。
スタート地点まで来たら、少しだけ休憩を挟み、
ノリからの「もういいぞ。」を感じたら、また「よーい、ドン!」
その繰り返し。

単調な動作の連続だけどさ、
これまた不思議と、嫌ではないんだな。

そんなこんなで、計何セット?
20往復くらいはしたと思う。
汗だくになったノリが、ようやく僕の方へと近づいてくる。

「お疲れ様。」
「おう。」

隣りに座るノリに、とりあえず、そう言う。

「ふぅ~。」

どうやら文字通り、かなりお疲れ様の様子。
まぁ、そりゃあそうだよね。
…と、どうしても気になることが。…、

「…なんで再戦なんか申し込んだの?」

聞かないわけにはいかない。

「なんでって、…悔しいだろ。」

疲れた顔が、悔しい顔へと瞬時に変化する。

「でも、ノリだって十分速かったよ。」

間違いなく学年では2番目だ。

「1番じゃなきゃ、意味ないだろ。」

何言ってんだとばかりに、そう言う。

「男なら、一番上になりたいだろ。絶対。」
「ん、…う~ん。」

そう言うもの…、なのかな。
僕には、良く分かんないや。

「とにかく、明日おれが鹿島に勝つ。
 それで万事解決、そんだけだ。」
「…そっか。」
「ん?なんだよ。」
「え?いや、別に。
 …、頑張って。」
「おう。」
「…うん。」

ありきたりの言葉で、激励する。
頑張ってる人を、落胆させる権利なんて、
僕には、いや誰にだって、ない。

「…よし。」

一言そう言うと、ランドセル片手に立ち上がるノリ。
それを担ぎ、一呼吸。…と、
そうだとばかりに僕を見て、

「俺、もう帰るけど、ユキは?」

ちょ。

「帰るに決まってるでしょ。」

当たり前でしょ。

「そうか、じゃあ、帰るか。」

当たり前でしょ。

「うん。」

待っててあげたんだから、手伝ってあげたんだから、
感謝の1つくらいあってもいいだろ。
…って思ったけど、口にはせずに、ただノリに従う。
まぁ、もう慣れたし。

いつものように、2人で下校する。


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この記事へのコメント
  1. 久しぶりの小説期待してます

    っていうとプレッシャーかけちゃうかな( ̄▽ ̄;)

    • コメントどうもです~。
      まぁあまり期待せずに、適当に読んでやってください^^

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