小説

放課後 2

対戦相手はあみだくじで決めました。 ゴミ箱に捨ててあった プリント用紙に3本線を引いて 男子が3本線の上三箇所に 自分の名前を書き そこを折って隠して わたしたちに渡してきました。 重光くんとあたったらどうしよう… でもあたった方がいいかな… いろいろ考えながら 真ん中に自分の名前を書きました。 女子も名前を書き終わって そこを折って隠し 6人1本ずつ横線を引いていきました。 準備完了。 「オーープン!」 あみだくじの結果… わたしの対戦相手は安藤和也くん。 ガッカリのようなそうじゃないような 複雑な気分。 重光くんの相手はさゆで 由香子は加賀美くんとの対戦 と言うことになりました。 対戦の順番は これまたあみだくじで決めて 1番、さゆvs重光くん 2番、由香子vs加賀美くん 3番、わたしvs安藤くん に決まりました。 1番じゃなくてほっとしたけど 1番は重光くん… 結局ドキドキに変わりはありませんでした。 図工室の机を横に寄せて 真ん中にある程度のスペースを確保して 準備が整い1回戦スタート。 2人が対戦している間 安藤くんと加賀美くんは重光くん側の図工室の端で わたしたち2人はさゆ側の端っこで 観戦する形になりました。 「よろしくー…。」 「お、おう。」 2人とも緊張してましたね。 今思うと着てる服の数でも ダイブ勝敗変わってきますよね。 3月だったけどまだ寒かったし みんなちょっと厚着だったけど 重光くんは暑がりなのかいつも薄着で 下はGパンで上はTシャツ1枚でした。 なんで断らなかったんだろう… と思ったけど 空気読んだんですかね。 流石って感じでした。 「や~きゅ~う~をす~るなら~…」 お決まりの合図と踊りで 野球拳が始まりました。 …と言うか重光くんの踊りが 言っちゃ悪いけど下手糞で…w 由香子と一緒に悪いと思いながらも 噴出しちゃいましたね。 まぁそんなたまに見せる不器用なところも なんか可愛くて好きでした。 「よよいのよい!」 1回目は重光君の負け。 上履きは脱いだ状態からのスタートだったんで まずは右足の靴下から脱いでいました。 これは長くなりそうだなー…とか 思っていたけど 重光くんが絶望的にじゃんけん弱くて… あっと言う間に3連敗w 「高橋マジかよー。」 「空気読めってーw」 流石に安藤くんと加賀美くんも 笑いながら突っ込んでました。 わたしたち女子も流石に予想してない展開に 笑いがこみ上げていました。 「仕方ねーじゃん、じゃんけんなんて運だろ。」 重光くんは恥ずかしそうにそう言うと 上のTシャツを脱いじゃいました。 みんなの前に現れた 重光くんの上半身。 プールとかで見たことはもちろんあったけど こう言うシチュエーションだと なんだか分からないけど 凄いドキドキしてしまいました。 バスケで鍛えてるのもあって 体も少しだけどガッチリしていて 男の子の体って感じでしたね。 「ウホッ!いい体!」 安藤くんと加賀美くんがからかうと さゆと由香里が「やだー。」と照れて 重光くんは「あんまそんなジロジロ見んなよな…。」と 更に照れて恥ずかしがってました。 わたしはただ重光くんのその姿を ただただ眺めていて…。 「愛果、あんた見すぎ。」 由香子のその言葉にようやく我に返って 顔が熱くなりました。 「べ、別にそんな見てないよ。」 「もう、わたしたちには隠さなくても良いのに。  好きなんでしょ?高橋くんのこと。」 「…え。」 今まで誰にもこの気持ちは 話したことなかったけど さゆと由香子にはバレてたんだ。 そう思うと凄い恥ずかしくなりました。 「もーう、愛果が言ってくれるの待ってたのに。  隠し事なしでしょ、あたしたち。」 「…ごめん。」 「分かれば良し!」 そう言うと由香子はわたしの頭をなでて 笑いかけてくれました。 この2人とはこれからも変わらず 友達でいたいなって 本気で思いましたね。 そんなことしている間に 4ゲーム目が始まっていて なんと重光くん4連敗。 勝ったさゆも負けた重光くんも 観戦者4人も流石にビックリ。 「弱すぎだろー。」 「ラスト1枚じゃんかw」 わたしたちは恥ずかしながらも お決まりの悲鳴を上げる準備。 暗黙の了解って感じでした。 わたしとしては恥ずかしいのもあったけど 重光くんの恥ずかしい姿を さゆと由香子も見るって言うことが ちょっと嫌でしたね。 仲良い友達になんてことって思っちゃうけど 嫉妬みたいなものかな、良く分かんないけど なんかヤだったな。 いろいろ考えているうちに 重光くんは顔を赤らめて 無言でGパンのベルトを緩めて 勢い良くGパンを降ろして 足から抜き取っちゃいました。 「きゃー!」 お決まりのリアクションのわたしたち3人。 灰色のボクサーパンツ1枚になった重光くんが 顔を赤らめて立っていました。 お腹を掻いたり、お尻を両手で叩いたり 恥ずかしさを紛らわせようと いろんな動きをしていたけど その場から動こうとせず堂々と振舞う重光くんが 男らしくてカッコよくて やっぱり見とれてしまっている自分がいました。 「次負けたら俺の負けだよな?」 重光くんは恥ずかしそうに でも隠したりはしようとせずに 安藤くんと加賀美くんに聞いてました。 「まぁ基本はな。  もし次負けても続けたかったら1回チャンスはやる。  ただしそのパンツも脱いでフルチンでな。」 「…遠慮しとくわ。」 冗談みたいなルールが安藤くんから 告げられました。 実際「フルチン」って言うワードに わたしはドキッとしてしまったけど 流石にそこまではやる分けないよね…。 ちょっと安心。 そして5ゲーム目が始まり 結果は見事重光くんの5連敗。 こんなじゃんけん弱い人見たことないよw 流石にみんな笑いましたね。 重光くんも照れ笑いしてました。 第一回戦は重光くんの完封負けで終了。 「高橋!一応聞く。フルチン、オア、ノット!」 「やるか、バーカ。」 顔を赤らめた パンツ1枚姿の重光くんがそう即答しました。 「やーだー。」と わたしたちの元に戻ってきたさゆと3人で 顔を見合わせました。 そんなこんなで1回戦は大きな事件にもならず 終始ほんわかムードで幕を閉じました。
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