小説

放課後 7

図工室は異様な空気でした。 わたしはとにかく恥ずかしさで 冷や汗をダラダラにかいていました。 目の前の重光くんもきっと一緒。 でもわたしの恥ずかしさなんて 比にならないくらいの恥ずかしさで わたしの前に立っているのは 間違いありませんでした。 まわりはきっとみんな わたしのパンツ下ろし待ち。 後ろでは安藤くんと加賀美くんが さゆと由香子のほうに移動して 集まっていて 4人でヒソヒソ喋りながら この光景を眺めているようでした。 「お前らちんこ見たことあんの?」 「あ、あるわけないじゃん!」 「わ、わたしは弟のなら何回かあるけど…」 「んじゃよく見とけー、高橋のちんこなんて  多分二度と見れる機会ないからな。」 「そいやオレも高橋のは見たことねぇな。」 「オレもだ。実際ちょっと興味あったりはした。」 「もうやだー何コレ。」 からかう安藤くんと加賀美くん。 なんだかんだで 興味津々みたいなさゆと由香子。 そんな話を背中で聞いていたわたし。 きっと重光くんの耳にも 届いていたんだろうな。 重光くんはただ何処か1点を見つめ 微動だにしようとしませんでした。 わたしのせいでごめんね…。 重光くんにかけられる言葉なんて 今のわたしにはありませんでした。 でももうやるしかないと 腹をくくった次の瞬間。 後ろからビックリするような話が 聞こえてきました。 「高橋の奴も  長澤かばってちんちんさらすとは…。  ホントに好きなんだな。長澤のこと。」 笑い声とともに聞こえてきた安藤くんの声。 …え? 一瞬ときが止まったような気がしました。 その声は重光くんにも届いていたらしく 「お、おい!変な話してんじゃねーよ!」 明らかにいつもの冷静さがなくなり 狼狽した様子の重光くん。 顔は最高潮に赤くなってました。 その姿にもちょっと驚いたけど… 重光くんがわたしのことを好き…? そうだったらどんなに嬉しいだろうと 夢物語のように願っていたこと。 ビックリするような話に わたしのドキドキも最高潮。 「あ、あんな話気にすんな!  も、もう早いとこパンツ下ろしちまってくれ。  負けたのはオレなんだから  気なんて遣う必要ないから…な。」 そうわたしに言うと 重光くんは目を瞑って口を閉じ 天井をみつめるような体制になりました。 さっきの話といい、 いろんな感情がグチャグチャになって 脳内がどうにかなりそうだったけど これ以上ためらってるわけにもいかない。 意を決して 更に重光くんの近くに寄り 重光くんのホントに目の前で ひざまずくような形になりました。 そして灰色のボクサーパンツを 両手で掴みました。 重光くんの体は おへその周りまで汗で光っていました。 わたしは一言「ごめんね…。」と 重光くんの顔を見て言うと 「…おう。」と目を瞑って上を向いたまま わたしに返事をくれました。 いつもの冷静な重光くんっぽい 男の子らしくて 5人のクラスメイトに 自分の恥ずかしい姿を見られることを 全て受け入れたような声でした。 わたしはその声を聞いて目を瞑り 心の中でもう一回 『ごめんね…!』とつぶやき 重光くんのパンツを 一気に下まで下ろしました。
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