CFNM日記

曖昧サンドイッチ 11

(2012年1月24日 06:51)

「それでさ、ホントに1000本ノックとかやるわけ。
 ホント死ぬかと思った~。」
「1000本、うへぇ…。」
「まぁ実際、余裕だったけどさ。」
「はいはい。」

愛と福の部屋。
2段ベット下で横になる福と、勉強机の椅子に座る愛。

就寝前の姉弟の会話。
ついさっき帰ってきたばかりの、
ソフトボール部の合宿の話。

「でね、それからさぁ…」

まだまだ話したりないらしい。
…けど、そろそろ…。…と、

―ギィ………。

昨日のように、ゆっくりと開くドア。
隙間からヒョコッと、不安そうな舞が顔を覗かせる。
来た来た。

部屋の中に、愛の姿を確認して、少し怖気付く舞。
咄嗟に、目線を逸らす。
大丈夫大丈夫…。

「舞、おいで。」

優しく手招きをする福。
それを確認し、無言でタタタッと部屋の中へ。
手を広げる兄の胸の中へ、一目散に飛び込む舞。

その光景を、目を丸くして見つめる愛。
ただただ、驚いている様子。…と、

―トットットッ……。

しばらくもしない内に、ベッドの上へと登り、
ゴロンと横になってしまった。

「…………。」
「…………。」

沈黙の姉妹。

「姉ちゃん。」

下から福が呼ぶ。

「…………。」
「姉ちゃんっ。」
「…なに。」
「ちょっと下りてこいよ。」
「…なんで。」
「いーから。」
「…だからなんでっ。」
「いーからっ。」
「…………っ。」

―トッ…トッ…トッ………。

仕方なく、ゆっくりと下りてくる愛。
再び、椅子に座る。

「なにか。」

ぶっきらぼうに答える姉。

「まぁまぁ、いいじゃん。
 たまには3人で話そうよ。」
「…………。」
「…………。」

だんまりの2人。

「ほら舞、顔上げて。」

兄の体にうずめる顔を、恐る恐る上げ、
とても不安そうな顔で、福を見つめる。
いつもの笑顔はない。完全に怯えている。
そんな舞に、微笑み返してやる兄。

「ってか、2人仲良かったんだ。」

意外そうに、でも、興味もなさそうに、そう言う姉。

「そりゃ、兄妹だからな。」

当然だろ、と弟が答える。
舞が、兄の手をギュッと握る。

「ほら舞、姉ちゃんの方、向いて。」

福の命令に、少し躊躇いがちにも従う舞。
………。
姉の目は見れない。

「何がしたいわけ?」

だんだんイライラしてくる愛。

「まぁまぁ。」

落ち着いて落ち着いて。…ふぅ。

「せっかくの姉妹なんだからさ。
 もうちょっと仲良くしたらどうかな~、って。」

意を決し、一気に核心に迫る福。

「…………。」
「…………。」

だんまりの2人。

「舞はな、ホントは姉ちゃんのこと好きなんだもんな。」

なっ、と、優しく舞の頭を撫でる。

「はぁ?」

何言ってんの?と、愛。
怯える舞。

「ホントだよな~、舞。」

大丈夫大丈夫と、舞に言い聞かせるように、
終始穏やかに、仲介役に徹する福。

昨日、福兄ちゃんは愛姉ちゃんのことを好きって言った。
だから、じゃあ舞も好きって、言った。
確かに言った。

「…うんっ。」

精一杯勇気を出して、応える舞。

「言わされてる感満載なんですけど。」

一蹴する愛。

「そんなことねぇって。な?舞。」
「…………。」
「ほらね。」

くだらなそうに、愛。

「大体私のことなんて、好きなわけないじゃん。
 ほとんど喋ったこともないのに。」
「…い、いや。そう言うこと……、」
「むしろどっちかって言うと、嫌いなんじゃない?
 絶対そうだよ、こんなんだもん。
 ねぇ、私のこと本当は嫌いなんでしょ?
 嫌いだよね?嫌いなんだよね?ね~?」
「姉ちゃんっ!!」

さすがに怒る福。
小刻みに震える舞を、そっと抱き抱える。

「なんでそういうこと言うんだよっ。」
「なんでって?事実を言ったまでよ。」
「そう言う言い方はないだろっ。」
「それはすみませんでした。」
「…なんで、仲良くしてやらないんだよっ。」
「…別に。
 仲良くする理由がないから。」
「なんで…!!」
「…うるっさいなぁ!!」

イライラがピークに達し、立ち上がる愛。
………っ。

「だってその子、
 私の妹じゃないもんっ!!!」







……………。

急に静まり返る部屋。
福の体中から、冷や汗が噴き出す。
……。

福を掴む舞の手が、するすると力を失う。…と、



―タッタッタッタッ……!!!

何も言わずに、小走りで部屋を出ていく舞。

「舞っ!!!」

………。


…、

「姉ちゃんっ!!!」

泣きそうな顔を伏せながら、ベッドの上に登る愛。

「言っていいことと悪いことがあるだろっ!!」
「…うるっさいなぁ!!!
 私合宿で疲れてるのっ!!寝るっ!!!」
「………っ!!!」

慌てて部屋を後にし、舞を追いかける福。

………。
舞とお母さんの部屋の前。
ドアが閉まっている。

耳を澄ますこともなく、中から聞こえてくる、
舞のすすり泣く声。
お母さんが、驚きながら、なだめている、
に、違いない。

……。
中に入る、勇気がない。

………。
…どうしたものか。最悪だ。


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この記事へのコメント
  1. まさかの展開
    (゜▽゜)

  2. 追加

    舞の説明って書いてありましたっけ?

    • コメントどうもです!
      12話にまとめてます、11,12は退屈かもですが是非最後までお付き合いください~

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