CFNM日記

雑草と太陽 8

(2012年6月7日 22:00)

焦らしたり、躊躇ったり、そんな素振りは一切なかった。“男らしく”、そんな言葉がぴったりだった。 ノリは、みんなが見守る中、一気にパンツを下ろす。そして脱いだそれを、足から完全に抜き去り、静かに地面に投げ捨てた。……っ。 「きゃーーーーーーー!!!!」「うっは!!!!」「マジでやりやがった!!!!」 顔を覆い叫ぶ女子、大喜びする男子。顔… 続きを読む

雑草と太陽 7

(2012年5月30日 21:00)

次の日の放課後。 雲1つない、春風の心地良い、まさにスポーツ日和。それでも、校庭の隅はいつものように、木の葉の隙間から微かな日差しを受ける程度である。 誰かのせいですっかり色褪せた、淡い2本のコースライン。そのスタート地点に、2人の選手が並ぶ。 勝者の証人役を買って出た人数は、前回の15人を遥かに上回り、ほぼクラスの全員。 またかよ、もう私はいいや、なんて言… 続きを読む

雑草と太陽 6

(2012年5月23日 22:00)

2回目の再戦が発表されたあの日以来、ノリは放課後、毎日のように走り続けた。 僕も、そんなノリに付き添い、ただただ、応援し続けた。…でも、ただ、それだけだった。   今日は再戦の前日。何かが改善されたのかと訊かれたら、…、黙りこくることしか出来ない。それでも僕は、 「よーい、ドン!」 ノリの望みを、ただただ、機械のように、遂行することしか出来ない。…… 続きを読む

雑草と太陽 5

(2012年5月17日 22:00)

次の日。教室内には、ノリをバカにしたような空気は流れておらず、とりあえず安心する。ノリとも、普段通り、いつもと変わりなく、接することが出来た。…はずだ。再戦を申し込めたかどうかは、言ってこなかった。言ってこなかったから、訊くこともしなかった。気になるけど、これはノリの問題だし。…うん。そして、放課後。昨日と同じく、先生が教室を出て行った後、鹿島、とノリが、み… 続きを読む

雑草と太陽 4

(2012年5月9日 21:00)

何処行ったんだろう。…なんて、探すこともなく、ノリを見つける。体育館裏の階段。そこにノリは、項垂れながら座っていた。知っていたわけじゃない、けど、なんとなくここにいるんじゃないかなって、思ったんだ。声を掛ける、こともなく、ただ無言で、ノリの横に座る。顔を腕の中にうずめている。僕のことは見えていないだろうけど、気配で気づいてはいるはずだ。………。こんな時、なん… 続きを読む

雑草と太陽 3

(2012年5月2日 22:00)

次の日、の放課後。ホームルームも終わり、先生のいなくなった教室で、鹿島の登壇によって帰宅を阻まれるクラスメイト達。―なになに~。―なんだなんだ。―早く帰りたいんだけど~。口々に愚痴が飛ぶ。そんなみんなをまぁまぁとなだめながら席に着かせ、教壇の前に立った鹿島、とノリから、コトが説明される。「今日このあと、俺と大野で50m走をする。」―え~。―なんで~?―昨日や… 続きを読む

雑草と太陽 2

(2012年4月26日 22:00)

放課後、今日の授業も無事に終了。体育の後の授業の気だるさと言ったら…、とりあえず、お疲れ様でした。…ふぅ。結局あれ以来、ノリと話をしていないけど、さすがにもうほとぼりも冷めただろう。いつものように、「一緒に帰ろう。」を言いに、ノリの元へと向かう。…と、ノリの席に、もうノリはおらず。もう帰ったの?と、慌てて周りを見回す、と、あ。すぐさまその姿を、割と簡単に見つ… 続きを読む

雑草と太陽 1

(2012年4月19日 22:00)

冬の寒さも割と落ち着いて、少しずつ暖かくなり始めた5月。皐月、とも言うらしい。この前、国語の授業でたまたま習った。とは言っても、まだまだ肌寒さは残るこの季節。お世辞にも防寒に優れているとは言えない、こんな半袖短パン姿で外に放り出されるのは、インドア派の僕からしてみたら、そりゃあまぁなかなかの地獄だ。しかも今、そんな地獄にさらに拍車をかける、僕の苦手なイベント… 続きを読む

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