成長くらべっこ 22
膝立ちの状態、少しフミちゃんを見下ろす態勢のまま
自分のパーカーのチャックを摘み
自分でもビックリするくらいに躊躇なく
それを、ジーーーーーーッと、下していく。
パッ―。
最後まで下ろしきり、前を開き
右袖、左袖と、脱ぎ去っていく。
なんでだかは分からない。
でも、なんとなく、こんな展開になるんじゃないかなって、
自分はこうしてしまうんじゃないかなって思ってたから、
パーカーの中には、何も着てこなかったんだ。
上半身が、熱い、のに、寒い。
多分、冷や汗のせい。
恥ずかしいなんてもんじゃない、でも、
もう逃げられない、し、逃げる気もない。
今は極力何も考えずに、両手を腰に当てて、
………、
「…ボ、ボインボーイン…!!!」
…誰だろうね、こんな恥ずかしい罰ゲーム考えたの。
ホント、馬鹿じゃないの、って思う。
その人も、…やってる私も。
きっと、フミちゃんがブランブランしてくれてた時間くらい、
それくらい、私は、自分のおっぱいを揺らして見せた。
…もう、これくらい…で………、
ゆっくりと動作を収束させていき
私の胸の揺れが、その惰性で収まりきらない内に
恐る恐る、フミちゃんの顔を、…見た。
…視線は完全に、私のおっぱいに向けられている。
顔色はそのままに、目をまん丸くして、凝視している。
まだ完全には収まらない微妙な揺れにも
しっかり対応しているのが、瞳の動きからも窺える。
恥ずかしい…、と言うよりは、驚きの方が勝っている。
…違う、この、…この顔じゃない…。
…と、私の視線にさすがに気付いたフミちゃんが
我を取り戻したように、クイッと両眉を反射的にあげ
その顔を瞬時に私の目へと向ける。
2、3秒、見つめ合った後……、
「…な、何……、してん………?」
漏れるように、かすれるような声で、
私に訴えかける、フミちゃん。
…え、…な、何って……、
…………!!!!!!!!!!
自分でやっておきながら、フミちゃんの言葉に
ようやく自分の異常さに気が付く。
フミちゃんがブランブランしてくれたのは
テスト比べっこで負けたから。
じゃあ、私がボインボインしたのは…?
別に頼まれてなんていない。
ただ、自分の本能のままに脱いでしまっただけ。
フミちゃんにしてみたら、何してん…?まさにその通り。
もっと言えば、痴女って言われても、おかしくないレベル。
今この状況の自分の変態さに
一気に気が飛びそうになる…、なる……、けど、
…違う、そう、そうだよ、
意を決して脱いだワケを一瞬で忘れ、
でもなんとかかろうじて思い出し、
滅茶苦茶だと分かっていながら、必死で対抗する。
「は、早く、フミちゃんも……!!」
絞り出すように、訴える。
「……、ぇ……え、…へっ?」
だから……!!
「ふ、フミちゃんも…、ブランブラン…、して……!!」
「…な、なん……!?」
無理やりすぎる注文。そんなの分かってる。
「は、早くっ!!」
「…、な、なんで…や…!!さ、さっきしてやった…、や、ろ。」
「もう1回っ!
…私勝ったのにボインボインしたんだよっ…!!
だから、もう1回……してっ…!」
「そん…、なん、…、こ、小春がか、
勝手におっぱい出して、か、勝手にしただけ…、や、…ん。」
「でも見たでしょっ!」
「そ、そら見てまうわっ!!」
「じゃあ、もう1回見せてっ!その罰として!!」
「な、なんでや!!無茶苦茶やっ…!!」
うん、無茶苦茶、でも、
「…まだ、ニギニギさせてもらってないよ!!
約束でしょ、早く出して!見せてっ…!!」
「あ、あれは、な、なしや、さすがに…!!」
「だ、だーめっ!!」
「お、落ち着け小春っ……!!!」
気づくと私は、完全に我を忘れて
上半身裸なことなど忘れて、ジリジリと膝歩きで
フミちゃんに近づいて行っていた。
尻もちをついたまま、後ずさりをするフミちゃん。
少しもせずに、壁際へと追いつめる。
「はぁ…、はぁ…、はぁ……。」
どちらの呼吸か分からない。
きっと2人のがシンクロしてる。
「………っ。」
私に驚くフミちゃん。
そんな私に、本当は私も驚いている。
…もう、どうにでもっ………!!
ガシッ………!!!
フミちゃんの腰に負けれたタオルを、思い切り掴む。
それを引っ張ろうとすると、すでに解けかけていたのか
意外にもスルスルと引き寄せることが出来る。
このまま……、
ガッ……!!!
ギリギリでフミちゃんが抵抗する。
タオルの端を大事な部分に押し付け、放そうとしない。
「…こら小春…、ええ加減に……!!!」
汗が止まらない、顔の紅潮はとっくにピークを越えている。
でも、でも違う、そうじゃなくて……!!
「…ぁんっ!!!!」
何処から出たか分からない声と共に
出せる力の全てで、思いっきり、引っ張る。
バサァァァアアアッ…。
解けた、完全に、解けた、…今……!!
態勢を崩し、
もの凄くだらしない恰好で、壁に寄り掛かっている。
両手は…、反動で太ももの上。…つまり、
分かってた、分かっていたけど、でもやっぱり、…びっくりした。
さっき見たばかりの、フミちゃんのそれとは
比にならないほどに体積を増した、それ。
色の違う先っぽは、もうその全てが露わになって、
その本当の姿を、私に見せてくれている。
何、これ…。
…と、………サッ。
すぐさま自分の痴態に気付き、両手でそれを隠す。
…にも、当然、隠れるわけもなく、ハミ出る。
…
…と、違う!それよりも、いやそれもだけど…
でもそれよりも……!!!
驚愕の念をがむしゃらに振りほどき、
視線を急いで、顔に、向ける…
……と、
赤く、噴き出し、でも、笑顔はない。
子犬のように困った顔で、両手で自分のそれを
必死に隠そうとするも、隠れず、ビーン…、
でも諦めずに頑張る、も、隠れるわけもなく…、を繰り返す。
自分のモノをいじる、無邪気な子供のような仕草と
相反するその表情のギャップ、を、
ただただ見つめる私。
フミ…、ちゃ……、ん……。
心で呟くその声が、聞こえたのか、
全てを見られてしまっていたことにようやく気付いたのか、
顔を、咄嗟に私に向ける。その顔が……、
言うまでもない色、滝に加え、
クシャクシャでアシンメトリーの眉、
鼻の穴はだらしなくおっぴろがり、
目は迷子の子供のように、頼りなくか細く光る。
そして、最後の頼みの綱の口、…も、
消えて無くなってしないそうなくらいに、小さく、すぼんでいた。
見てはいけないものを、見てしまった気がした。
その事実に一瞬、もの凄い罪悪感に襲われる。
でも、それを遥かに上回るほどの興奮に
わたしの体はもう既に、埋め尽くされてしまっていた。
おちんちん丸出しの恥ずかしい姿。
それを無理やり誤魔化そうとしていた
最後のガードであった、フミちゃんの笑顔。
それすらも消えた、フミちゃんの
本当に素の、何も飾りのない、本当にすっぽんぽんの、
本当の、本物の、フミちゃんの、姿。
全てが剥き出しになった目の前の光景に
私はもう、ただ…、ただ……、
…!?
2秒、いや、1秒にも満たなかったかもしれない。でも、
見られてはいけないものを見られてしまったのだろう。
すぐさま顔を両手で隠す。
そんなことしたら…、またそこが……、
「…ぁぁぁああああああああああ!!!!!」
!?
急に雄叫ぶフミちゃんに、反射的に顔を逸らす。
少しもせずに、また反射的に、その反射を元に戻すと、
膝立ち、両手に腰を当て、
天高くそびえ立った自分の巨塔を私に見せつけるかのように、
男らしく構える、男の子の姿。
…そして、
「ビヨンビヨーーーーン!!!」
息つく暇もなく、そう叫びながら、腰を、好き勝手に、振り始めた。
ブランブランよりも自由度は低い。
けど、迫力は比にならないほどに、やんちゃ。
重量感のあるその演舞は、、
一振りで全てを薙ぎ払うことが出来そうなほどに強力で、
それでいて、最上級に、エッチだった。
…そんな、ヤケを通り越した暴挙に出た
フミちゃんの顔は……、
汗まみれの紅潮しきった顔、そこに、
確実に無理のある、でも、優しくてかっこいい笑顔が
蘇っていた。
…そうだよ。
自己防衛でも本当の姿じゃなくてもいい。
これが、これこそが、フミちゃん、…だよね。
なんだか分からない、当たり前の事実に
なんだか凄く嬉しくなって、でもやっぱり恥ずかしくて、
そんな気持ちが、小さな笑いになって、体から溢れた。
「なーに笑ってんねやぁ!!!」
ビヨンビヨンを休止し、私を笑顔で非難するフミちゃん。
…なんか、もう、どうでも、いいや。
私は無意識の内にフミちゃんの目の前に膝立ちで立ち、
腰に手を当てて、1つの深呼吸もせずに、
「ボインボイーーーーン!!!」
を、始めた。
少ししてフミちゃんを見ると、本当にエッチな顔で
おっぱいを凝視してる。
私に気づき、視線をぶつけてくると、また顔を緩める。
「なんやー小春っ。
おっぱい丸出しで、恥ずかしくないんかぁ?」
この期に及んで、攻撃してくる。
…それなら、
「フミちゃんだって、おちんちん丸出しだもん。」
私の言葉に、眉とアソコを狼狽させるフミちゃん。
「…ほんまエロいなぁ、小春は。
俺のおちんちんばっかり、見よって。」
「フミちゃんだって、おっぱいばっかり、見てるじゃん。」
途切れることなく、言葉を重ねる。
「そら、俺かて健全な男の子やからなぁ。
目の前でおっぱい出されたら、そら、見てしまうわぁ。」
「私だって、普通の女の子だもん。
目の前でおちんちん出されたら、…、見る、…もん。」
少しだけ動揺、してしまった。
「お、おぉっ。
小春、今胸の谷間に、汗が侵入してったで。
エロいなぁ。」
!?……、………っ。
「フミちゃんだって…、
先っぽが綺麗なピンクで、エッチ…、……だよ……っ。」
これ見よがしにそこを見た瞬間、そこがピクッと動く。
すぐさま再び顔に目をやると、痛恨の一撃とばかりに、
下唇を必要以上に噛んでいる。
「…ホンマ、小春には敵わんわ。」
恥ずかしそうに、でも笑顔で、敗北宣言。
「…フミちゃん、だって。」
対抗する気なんて毛頭もなく、瞬時に、引き分け宣言。
丸出し同士、しばし無言で向かい合う。
「…大きくなったなぁ、小春。」
ゆっくりと、優しい声で、フミちゃんがそう言う。
私の顔を見て、アピールするかのように胸を見て、また顔を見る。
エッチ、変態、それ以外の言葉が見つからないけど
でも、いやな気は全くしなかった。
「…フミちゃんだって。」
倣うように、今尚立派なままのそれを撫でるように見た後、
再びフミちゃんの顔に戻す。
「…あぁ、お陰様でビンビンや。」
そう言って、クイックイッと、自己主張をする。
お互い、腰の手を当てたまま、一切隠そうともしない。
もう、体力もなく、ボキャブラリーも枯渇して、
「…変態。」
そう返した。
「小春だって、乳首立ってんで?」
……っ。もう、言葉が見つからない。
「…変態。」
顔だけは笑顔で、苦し紛れに逃げる。
「変態コンビ、やな。」
100点満点の笑顔。
…うん、間違いないよ。
………。
「ニギニギするか?」
忘れていた約束と、腰の差出しに、動揺する。
顔に出る。
「…せぇへんなら、俺がモミモミしてまうで?」
狼狽える私に、フミちゃんからすかさずのヘルプ。
「いいよ。」
胸を突き出す私。
「小春が先や。」
更に腰を突き出すフミちゃん。
跳ねる棒。
「フミちゃんが先。」
「小春や。」
「フミちゃん。」
「小春。」
「フミちゃん。」
「………。」
………。
「…この辺にしとこか。」
恥ずかし過ぎるくらいにハニかんだ、優しすぎる笑顔。
「…うん。」
こうしてようやく、エッチ過ぎるくらべっこが、
…、終わり、ました。