小説

少年裸祭り 【弐拾参】

藤木 いつみ
  • 藤木 いつみ
  • 2009/01/03 09:02
  • 神社の石段
「出てきたよーーぅ!」 続々と神社から姿を現す男の子たち。 遂に始まったんだなー裸祭り。 神社の方から役員の人たちに続くように 褌姿の男の子たちが降りてくる。 ホントみんなハダカンボなんだなー。 やっぱりちょっとエッチだよねw で、わたしが今日なんで楽しみにしてるかって言うとね。 コウが出るからなんだよね。 コウって言うのは 鈴谷孝輔?ノンノン。 西島耕助?ノンノン。 当然、山井浩介が出るから見に来たって感じかな! コウとはいわゆる幼馴染で 小3くらいまでは良く2人で遊んでたんだけど 最近は全然遊んでくれないんだよね。 恥ずかしがってるだけなのかもだけど ちょっと寂しいかな。 小3まではホントに毎日のように遊んでたんだよ! 2人でお風呂だって入ってたし。 よく『パオパオぞうさん』見せてもらったなぁw 今でもしっかり覚えてるよ。コウの可愛いぞうさん。 きっとコウのことわたしが一番良く知ってるし コウもわたしのこと一番良く知ってくれてるはず。 …でももう3年も一緒に遊んでないんだよね。 今思えば、3年前以来、コウの裸って見てなかった。 プールの時間とかも、コウめいどいからって 風邪引いてもいないのにいつも見学してたし。 3年も経つと男の子もやっぱり変わるのかな。 ぞうさんも成長してるのかなぁ…。 …だから今日はこの裸祭りで 久々にコウの裸姿を見たかったって言うのがあるんだよね。 別に見るだけが目的じゃないけどさ。 コウが出るんなら行くしかないじゃんねw そんなこと思ってると 男の子たちが着々と石段を降りてきて ようやくわたしたちの目の前に差し掛かった。 12人の男の子たちが 3人ずつ並んで列を4つ作って歩いている。 2列目がわたしたち第2小学校代表のコウスケトリオ。 左から鈴谷、西島、コウ、かな。 鈴谷も西島も、凄い良い体してるなぁ。 スポーツやってるからだよね、男の子って感じ。 それに比べてコウは… 久々に見たけど、ちょっと太ったんじゃない?? 他の2人と比べちゃうからそう見えるだけかもだけど やっぱお腹の辺りに肉が目立つよね。 もーう、運動しないからだよ! しなさいっていつも言ってるのに。 色黒いからって、そんな体じゃ運動不足バレバレじゃんね。 鈴谷の後に見ると、余計に黒く見えるなー。 …と、そんなこと言っているうちに わたしたちの前を通り過ぎていくコウスケトリオ。 見える景色が後ろのアングルに切り替わって 男の子たちの後ろ姿が露になる。 きゃーw12人の男の子たちのお尻が丸出しw 声に出して叫ぼうかと思ったけど そんな雰囲気じゃないし 誰にも悟られないように、1人心の中で叫んだ。 佳奈も桃子も先生も、何故か分からないけど 無言でその様子を観察してるみたいだった。 でもあれだなぁ。 後ろからだけの絵だと、すっぽんぽんに見えちゃうw で、当のコウは…。 …あ、やっぱりまだあるんだ、右のお尻にホクロ。 ちっちゃいけど、一緒にお風呂に入ったときに わたしが見つけてあげたんだよね。 コウだって知らなかったんだから! そっか、やっぱり変わってないんだな、コウはコウなんだ。 ちょっと安心しちゃった、へへ。 でもやっぱ可愛いなーw 久々でちょっとドキッとしちゃったけどw 「コウー!かっこいいぞーー!」 通り過ぎてくコウの背中に わたしは大声でそう叫ぶ。 その言葉に気づいて、コウは後ろを向いて 「うるせー!」と顔を赤らめながら、言ってきた。 怒られたけど、わたしの声に気づいてくれたのが なんか妙に嬉しかった。 でも照れちゃって、可愛いーw
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